地域包括の認知症介護者交流会での集団援助技術まとめ

認知症介護者交流会というのをご存じでしょうか?
名称は地域によって微妙に違うことがあり、
「認知症の家族を支えるための家族交流会」
などのところもあります。

地域包括支援センターの相談員が主催するこのと多い、認知症高齢者を介護する家族同士の交流会のことだと思っていただいて結構です。

この交流会では、社会福祉援助技術、とくに集団援助技術が使用されます。
社会福祉士国家試験の事例問題に出てきそうな典型的な場面で、社会福祉士の資格がリアルに活かせる機会といえます。

集団援助技術で必要なことは、援助者自身がしゃべることで終始してはなりません。
交流会に参加している人たちが、自主的に参加することを側面的にサポートするのが援助者であるグループワーカーの役割です。

この、認知症介護者交流会には、地域のさまざまな人が参加してきます。
参加人数は場所によってさまざまです。満員になるところもあれば、2人しか参加者がこなかったということもあります。

本来であれば、参加者の属性や介護状況などの情報を把握して、波長合わせをしておき、グループワークに挑むのが理想ですが、包括の職員は多忙なため、多くの場合ほとんどの打ち合わせや波長合わせはかなわず、交流会の当日を迎えることになります。

波長合わせとは

ベテランの職員であれば、こうした交流会のアドリブは、グループワークをこなした回数によってノウハウが蓄積されているのでよいのですが、初心者の場合は、特に看護系相談員の場合は、苦手意識を持っている人が多いようです。

ちなみに地域包括支援センターでは、相談業務のすべてを社会福祉士が行っているわけではなく、看護師がグループワーカーとして交流会を切り盛りすることもあります。

では、このグループワークですが、どのような援助技術なのでしょうか?
集団援助技術については、こちらにレポートとしてまとめてあるので参考にしてみてださい。

集団援助技術(グループワーク)の展開過程

グループワークには、まずフェイス・シートがあり、援助の準備期、援助の開始期、援助の作業期、援助の終結・移行期という過程をたどるのが一般的です。
しかし、先に述べたように包括の職員は多忙なので、これらの過程通りに援助が進むことはまれなのです。

そこを踏まえて、グループワークを実践するコツをまとめます。

まとめ

1.参加者の特性を交流会当日に見切る
ちょっとした雑談からの直感的にグループの特質をつかみましょう。キーとなる人物をさだめ、表出を引き出すトークを考えます。

2.しゃべりすぎるのもよくないし、黙っているわけにもいかない
グループワーカーの役割は、交流会の参加者同士の自発的な発言や表出を促すことであり、その結果参加者の相互作用を引き出すことにあります。自らの言動に神経を集中させて、集団援助技術を駆使する必要があります。

3.先輩職員がグループワークする機会があれば見学しておく
先輩職員の場の空気のつかみ方や、雑談やアドリブの使い方について特に注意して観察しておくこと。
事前に先輩職員から得られる交流会の情報があれば漏らさず収集しておく。

4.想定できることはすべて想定しておき、現場に立ったら準備したことは忘れる
そもそもフェイスシートを見る余裕すらないことが多いので準備できることは少ないのですが、あり得る状況について想定問答をイメトレすることはできます。例えば、参加者が1人しかいなかった場合や、満員だった場合などを想定してどんな言動をするかを想定することは重要です。

グループワークの現場では、教科書通りにいかないことが多いものです。
ケースワークの原則、グループワークの原則を学ぶことも有効ですが、常に最大の学びは現場にあります。

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