「すご腕社労士の首切りブログ」について
このタイトルのブログは、ある男性の社会保険労務士が書いていたブログです。
その内容は、「モンスター社員」をうつ病に罹患させて、退職に追い込むノウハウを指南するという、とんでもない内容になっていました。
ネット上で炎上したため、現在このブログは削除されています。
渦中の社労士は、ブログで自負していたように「すご腕」だったようです。
労働・人事に関する書籍も多数執筆しています。
書籍のタイトルの中には、今回の炎上を予期するような本も散見されました。
この人物は、基本的に、経営者対労働者という対立を前提に、自論を展開してる人物のようです。
社労士は、人事のスペシャリストっていわれるけど、今回の一件で、社労士の印象は非常に悪くなっているのではないでしょうか?
経営者は、社労士にとって顧客であり、報酬をもらっている構造がある。
だから、顧客から「どうすればモンスター社員を辞めさせられるか?」
と相談されたら、つい違法なアドバイスをしてしまうのかも知れません。
もちろん、今回の炎上ブログの社労士は特殊な人物なのでしょう。
多くの社労士は、コンプラライアンスや、倫理感をもって業務を遂行していることも理解できます。
だだ、このようにセンセーショナルなことをいうと「受けが良かったんだ」と思います。
自らの書籍の売り上げであったり、本業の受注にプラスだったのでしょう。
炎上したブログのタイトルや、文章の書き方をみると、ネットウケを狙うような表現が目立っていました。
例えば、記事のタイトルに「社員をうつ病に罹患させる方法」なんてつけています。
こんな破天荒なタイトルをつければ、アクセスが集まると思ったのでしょうか?
ブログには、ヘッダー画像も載せていて、凝ったデザインになっていました。
でも、肝心のノウハウは、内容のうすいものでした。
例えば、
- 社員のあげあしをとれるような就業規則をつくって、針のように小さい違反を、棒のように太いものとして扱って退職に追い込む
- 合法的な範囲でパワハラをし、退職に追い込む(合法的なパワハラなんてありませんが)
- 万一、解雇した社員が自殺しても、責任回避できるように対策をしておく(最悪で不適切な発言です)
上記のような、ノウハウとはいえない、何の指南にもなっていない「悪ノリ」の記事になっているのです。
一歩間違えば犯罪です。
社会保険労務士会も,この一件に懸念を表明し、当該社労士を処分しています。