資格は取っても無意味。だから資格を取ろう。
社会福祉士の資格は、取得しても無意味だ。
そのような意見は多いです。
中には、他の資格も含めて、資格を取ることそのものについて批判的な意見もあります。
- 資格を取ると貧乏になる
- 資格が仕事をするわけではない
そんな厳しい意見もあります。
ここでは、きれいごと無しで本音をいいますと、
たしかに無意味だと思うことはあります。
でも、その「無意味」ってことの意味だけど、もっと具体的に言うと、就職できないとか、独立できないって部分ですよね。
つまり資格を取っても、安定した雇用に就けない、稼げないってことです。
だとしたら無意味にかなり近いです。
資格さえ取れば、お客が向こうから来たり、楽々転職ができるなんて、どんな資格でも、それはまずないですよね。
一昔前まで、高給と言われた職種ですら、今では報酬の下落が後を絶たないんです。
例えば、弁護士、理学療法士がいい例でしょう。
今や、年収200万台の弁護士だったり、法律事務所に就職すらできない弁護士がいる。これは司法制度改革により、司法試験合格者が増えたことによる競争の激化に加えて、欧米のような訴訟社会化が進展しないことや、インターネットの普及による一般市民の法的知識の普及などがその原因です。
弁護士も食うために、これまでは手を付けなかった「過払い金請求訴訟」や「成年後見人の受託」などをし始めています。
理学療法士については、診療報酬や介護報酬の削減、養成校の乱造による資格保有者の大量増員による給料の切り下げが行われている。
10年前位のリハビリ職は、非常に恵まれた待遇だった。当時から介護業界にいたからわかるんだけど、理学療法士の待遇にあこがれて介護士からリハビリ職を目指す人はたくさんいた。また、看護師などからは、夜勤がない勤務体系を羨む声が随分ときかれた。
しかし、今では、初任給こそいいが、その後はすぐに給料は上がらずで、10年病院に勤務しても、月給は5万も増えずなんてPTもいる。
さらに、将来的には、ロボットの導入によって、PTの必要人数は今より少なくて済むといわれていたり、あと10年もすればPTの仕事は介護になるともささやかれている。
満足のいく収入を得るために、せっかく何年もかけて取った資格なのに、気が付いてみたら低収入になっていた。そんな人達が増えているんですね。
それは、弁護士とPTだけじゃない。
その他の資格についても、医師など、ごく一部の資格を除けば、資格だけをもって今後も高給を保障されている職種は、急速に減少しています。
薬剤師でさえも、いまは大学が増えすぎていますので、その収入は将来的に切り下げられていきます。
もちろん介護職に比べたら破格の待遇が続くことは言うまでもないが、6年も大学で専門教育を受けたのに、希望の待遇・施設に就けないケースは出てくるでしよう。
リハビリ職同様、薬剤師業務の機械化、IT化が進めば当然に起こる現象といえます。
こうした専門職の収入下落現象が起きる原因のキーワードは、規制緩和による有資格者の増加とインターネットです。
規制緩和により養成校が増え、有資格者が増えると、仕事を奪い合ったり、就職における倍率が上がります。買い手市場になる訳です。
それに加えて、ネットによる情報の共有化です。昔は、専門家にしか解らなかったような情報が、今はネットで簡単にシェアされます。
こうした状況があるにもかかわらず、高い報酬を支払って専門家に仕事を依頼するには、それ相応の理由が必要になるという訳です。
つまり、これからは、コンピュータにはできない高いスキルであったり、あなたにだったらお願いしたいっていう信頼、そういったものを発揮できる専門家が選ばれるってことなんです。
では、話は社会福祉士に戻って、この資格の将来ってどうなんでしょう。
正直にいって、他の資格と同様のレベルですし「資格だけでは無意味」ですよね。
じゃあ、社会福祉士は取らない方がいいですかっていうと、そんなことはありません。
他の資格と同じなんですから、決して劣っているんじゃありません。
むしろ取れるうちにとっておいた方がいいです。早く名称を独占しておくのです。
業務独占なんてなくていいんです。いや、要りませんとまでいっておきましょう。
真の独占業務は、あなたにしかできないこと(個性)の中にあります。
法律で規制することではありません。
さっきも述べたように、これからは、インターネットや機械化によるシェアの時代がさらに進行します。
狭い業界の政治的圧力によって、いつまでも既得権益を守ろうとすること自体に無理があるのです。
ならば、それを逆手にとって、活かすことを考える方が早く低収入から解放されます。
これからの資格業は、問題解決業であり、サービス業です。
今までも、実はそうだったんだけど、今後は、それが強化されるってことです。
自らの収入の原資が税金や社会保険、補助金だけでは行き詰まります。
福祉業界にこそ、そう思ってほしい。
このことは何を意味するか?
それは、
お客様を自ら見つけて、お客様から料金をいただいて収入にする力、
つまり集客力が必要になるということです。
集客のためであれば、狭い専門性にこだわるのはやめた方がいいです。
特に社会福祉ってのは、広い概念であるから、特定分野の専門の社会福祉士なんてのは、特定の施設や機関にしかいられない人を意味します。
例えば、生活保護専門のケースワーカー・医療ソーシャルワーカーは、専門が決まった社会福祉士といえます。
こうした人の収入の原資は、雇用者なので給料であり、その元をたどれば税金や社会保険が主な原資です。
自らの所属する組織のしがらみにガチガチに縛られているので自由な活動はほとんどできないのが特徴です。
福祉を必要とするのは、何も、障害・老人・精神の方だちでけではありません。
どの人にも福祉は必要です。
例えば、格差問題ってあるけど、これはもう特殊な問題じゃないです。
どこにでもある問題です。
もしかしたら、社会福祉士である、もしくはこれから目指す、あなたの問題かも知れません。
あなたは、社会福祉士という問題解決業の看板を取得しようとしています。
看板を得たら、ぜひお店を構えること、つまり独立を目指してほしいと思います。
独立って何も、社会福祉士会の独立型社会福祉士の研修を受けて、登録を受けてくださいった話ではないです。
小さなビジネスを始めることも問題解決業です。それも昼間の仕事をやめずに副業としてでもいいんです。
税金や社会保険を原資としない収入を得ることを軸にして、あなたの看板を活かしてみると本当にやりたいことが見えてきます。
私がこうしてブログを更新しているのも、小さなビジネスです。
10年以上、低賃金の福祉業界にいるからこそ、報われない思いにかられて、はじめたスモールビジネスです。
社会福祉士という看板は、多いに役立っています。
福祉業界内における社会福祉士の評価が高いことは、あなたはご存知かと思います。
報酬がそれに伴っていないだけです。
今後、名称の知名度は上がることはあっても下がることはないでしょう。
福祉の一般問題化によってその傾向は強まってくるからです。
あとは、あなたが社会福祉士という国家から公認された看板を活かして集客する力を身に着ければ、満足できる可能性は高いです。
あなたに「狭い意味での福祉」以外の経験や知識があったらそれは財産です。
- 営業をやっていた
- パソコンには詳しい
- 商売をしていた
なんでもいいです。
福祉を広くとらえると、皆必要なスキルになります。
資格を取るということは、結局あなたが何をしたいかにかかっています。
雇用されるための道具でしかなかったり、不安定な独立稼業をするための手段となってしまってはもったいない。
資格の範疇を大きくまたいで、資格を活かしていく道を模索する方が楽しいのです。
資格は、活かし方を間違わなければ、有益です。せっかく国家が専門家の名称を与えてくれているのですから、これを利用しない手はないのです。
だから資格を取ろう。
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