セーフティネットのない社会は、安全ネットのない空中ブランコ
社会福祉士が貧困問題の専門家だという認識が少しずつではあるが浸透してきています。
近年の養成カリキュラム改定に関する方向性をみても、ソーシャルワーカーとしての役割を求められているので当然の結果です。
しかし、ここまで社会の変化が激しさを増す中で、社会福祉士自体が貧困に陥ることも想定できます。
実際、社会福祉士の多くは一介のサラリーマンであり、公務員職についている者は別としても、民間福祉施設に勤務する社会福祉士の多くは年収の低さを感じながら善意と健康と節約によって生活が成り立っている状態です。
歯車が一つ狂えば、途端に貧困の谷に落とされる。
福祉職とて例外ではありません。
社会福祉士ならば、福祉制度の活用について熟知していることが必要です。
特に生活保護については、自治体と交渉できるくらいの力量が欲しいところです。
生活保護は最後のセーフティネット。
社会福祉士自身も生活に困窮したならば、適法に活用することを積極的にすべきです。
もちろん、あらゆる社会資源を活用したうえでの話ですが、病気や災害によるなどの場合は恥と考えずに保護を申請すべきです。
社会福祉士であるならば、生活保護制度について学ぶ機会を持つことをお勧めします。
単に制度の概要を知るだけでなく、運用面なども含めて学んでおけば、いざというときのお守りになります。
一方、生活保護制度の不正受給や水際作戦なるものに対しての批判をしていくことも必要です。
制度が崩壊してしまうような行為は厳に慎むべきだし、セーフティーネットのない社会は、安全ネットのない空中ブランコと同じです。
日本は、制度的には最低限度の文化的生活が保障されている国です。
このすばらしい憲法を破壊するような動きに対しては断固反対すべきです。
かたや、最後のセーフティネットを維持できるように、社会福祉士も経済活動への寄与も考えるべきです。
具体的に言えば、社会経済的に価値のある活動に着手すべきということです。
権利としての保証を求めつつも、社会全体をみて、制度が維持できるように行動していく。
これが社会福祉士としてのあるべき姿なのではと感じます。
まとめ
社会福祉士は生活保護制度に対する専門性が潜在的にある。
生活保護制度は失敗しても死ぬ必要のない最後のセーフティネット。だから安心しよう。
生活保護制度の不正受給や水際作戦に対して厳しい目を持つ必要がある。
保障を要求するだけでなく、社会全体で制度が維持できるように寄与できる行動はないか模索する。
現代は副業があたりまえの社会になっています。社会福祉士であっても例外ではありません。
小さなビジネスを起こし、少しでも経済的に社会貢献することも立派な社会福祉活動といえます。