無免許教員に対する処分が甘い

山形県の55歳の女性が無免許で教員をしていたニュースをみて
「日本は無免許に対する処分が甘い」
と感じました。

この女性は、32年間にわたって教員免許なしに保健体育を教え続け、支払われた給料は、約1億8000万円にもなっていたといいます。

結論をいうと、山形県教委は、この女性に支払った給与、計約1億8000万円の返還は求めないことを決めています。請求したとしても払えないでしょうけどね。

まあ、お金のことはともかくとして、問題は、この高校の学生が無免許者の授業を受けて取得した単位の扱いです。

すでに卒業した人のことも含めると、これは本来ならば単位が認められないものであるべきで、補講なり授業の受け直しをするべきですが、これを実行すると卒業者の単位まで無効ということになり、混乱を招きます。

この無免者は述べ7700人を教えていたようですから、これらの人の単位習得を過去にさかのぼってすべて無効にするというのは現実的には困難といえます。

今回の一件に関して
要するに、この無免許者のしたことの是非はともかく、単位習得の問題は現実的にしかたがないという状態にされています。

その理由として

  • 適切に授業をしていたから
  • 無免許でも教員免許に必要な単位は取得していたから
  • 労働の対価である給与の返還は、法的に請求しにくいから
  • すでに当該教員の任用は採用時にさかのぼって任用無効としたから
  • 学生・卒業生に実損害はないから

など、いろいろな理由をつけて
「もうどうしようもないから、過ぎたことはなかったことにします」
という対応になってしまっています。

唯一、この無免女性に対する罰として、
「退職手当や共済年金は支払わない」
という判断をしたのですが、どこか的外れな対応です。

そもそも教員免許は、かなり前から更新制になっていますので、もっと早い段階で無免に気づかなかったのか?と疑問が生じます。

っというか採用時点で
「免許の証明書提出させるでしょう」
と思いますけれどね。

今回とは別件ですが、過去には

  • 無免の医師や看護師・歯科医師
  • 無資格の弁護士
  • 無効の運転免許や無免許

で当該業務を行って捕まった人は多数存在しますが、いずれも重罪に問われるケースは少ないのが実情です。

性善説にのっとっているというか、日本はまだまだ平和な国民気質なんだなという気がします。

ちなみに、社会福祉士の資格を偽造して就職したり、無資格なのに社会福祉士の名称を使用して、社会福祉士及び介護福祉士法違反に問われたケースはあまりありません。

嘘をついてまで社会福祉士を名乗るメリットがないと思われているからでしょうが、今後もし、そのような不正をする人が現れたら、ぜひ重罪に問うていただきたいものです。


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