どうして介護職は人気がないのか?
- 給料が安い
- いつまでも安い
- 甲斐性無しを自覚する
- ストレスの反動で、他人を否定したくなる
- 悲壮感がただよう
- 「なぜこんな仕事をしているの?」と自問するようになる
- 利用者や同僚に対して、「なぜこんな人に関わらなくてはいけないのか?」と思うようになる
- マイホーム、結婚、子供をあきらめる。
- 同窓会、家族の集まりに行くのが嫌になる
- 「やりがい」があると思って自分をごまかす
介護職を長年勤めることによって、上記のような心理過程を経ることが分かってきました。
こうした事実は、最近では、一般に知れ渡るようになっています。
介護職の賃金が安いのは、今や老人でも知っています。
「そんなに給料が安いの?」
と老人から心配される始末です。
だから、介護職の人気がないのは、当然ですし、介護職はどんどん辞めていきます。
介護保険制度がスタートしたばかりのころは、民間事業者の介護業界進出により、介護事業の将来性は高いといわれた時期がありました。
でも「現実は厳しかった」
というより「こちらの認識が甘かった」というべきですね。
介護を必要とする人はたくさんいる。
そこまでは読みが当たっていた。
ところが、
介護をする人もたくさん必要とされていた。
一方で、介護は「質」が大切といっておきながら、もう一方では「量」が必要とされていた。
たくさんの人に高い給料を払うためには、誰かに財源を負担をしてもらう必要がある。
お金のあるところから払ってもらいたいのだけれど、そう簡単にはいかない・・・
介護職に相応の対価を払おうというコンセンサスがないから土台無理なんです。
おどろくべきことだけど、介護の仕事って、思った以上に社会からは評価されていません。
それは賃金の低さが物語っています。
利用者からの「ありがとう」の言葉によって低賃金でもやっていける。という人がいます。
ほんとうにそうでしようか?
今、介護報酬の改定によって報酬が減り、介護事業所が倒産しています。
加えて、少子化などによる人手不足と、好景気による人材の流出が止まりません。
でも、正直なことをいうと、これはチャンスです。
これまで、介護職の不人気が解消されなかったことの原因は、本当の危機感がなかったからなんです。
なんだかんだと、人が足りないといっても、皆が低賃金に甘んじても業務をこなしてきたからです。
でも、今回ばかりは、いよいよ人はいなくなってきた。
今が改革のチャンスです。
本気で介護問題に取り組むときがきているのです。
- ロボットの力を借りるのか?
- 外国人に頼るのか?
- 賃金を本気で上げるのか?
給料を数万円上げます、時給を50円上げますといっただけでは根本解決になりません。
大手の介護事業所は、職員の給料アップの方針を固めています。
全然足りない金額ですが・・・・・
給料が上がったと実感できるためには、全産業の平均賃金と同等以上にすることが最低の条件ですよ。
今は、平均より月額10万も安いのが現実です。(泣)
つまり、最低でも10万月給を上げてくれというのがいいたいことです。
しかし、・・・・・・それは無理なのか?。
介護業界は、今後、外国人と日本人の低賃金労働者を積極的に受け入れ、ロボット化できる部分も増やすと予想されます。
結局は、その道を選ぶのかもしれない。
この問題をどう見るべきなのか?
社会福祉士を目指す方は、介護の仕事をする訳ではありません。
一時的には、施設などで介護業務をしている方はいますが、それは経験を積むことによるメリットを得るためだけです。
考えなくてはいけない問題は、
「介護をする人がいないのですがどうしたらいいですか?」
に対する答えを探すことにあります。
相談員をしながら、介助もするということではありません。
問題を解決するための仕組みづくりには何が必要かということが問われているのです。
これは極めて専門的技術が必要とされる問題でもあります。