社会福祉士の就活に必要なのは折れない思考
今日は、社会福祉士の就職活動について語りたいと思います。 就活に必要とされることは、 折れない思考です 折れない心ではなく、折れない思考です。 心というのは、どうしても折れたり、へこんだりすることがあります。 でも、その手前の段階での思考の仕方次第で、心が折れたり、へこんだり、病んだりすることを防げます。 大学生であれば、専業学生も社会人も、卒業前から就活は始まり、希望の職種への就職を目指すことになりますよね。 私にもかつて、そんな時期がありました。 でも、通信制大学に4年以上通って、卒業が近づいてきたとき、私は十分な就職活動をできないでいました。 勉強に熱中し過ぎて、就活には力が入っていなかったのです。 資格を取ればなんとかなるだろう という楽観的な気持ちもあったと思います。 なので、いざ卒業が近くなる段になって、いまさらのように暗雲が立ち込めるような気持になっていました。
今更何をいってるの?
といわれてしまいそうです。
ハローワークで一日中求人検索しても、月給20万にも満たない求人しかないという現実
しかも、その低賃金の募集でさえ不採用になる日々・・・
現実が、徐々に私の気持ちに暗雲を立ち込めさせていったのです。
当時、大学には、就職支援室なるものがありました。
私は、何度かそこに足を運んでいました。
本学が群馬県にあったので、東京在住の私にはちょっと場所的に遠い。
ちなみに就職支援といっても、そこにあるのは大学に寄せられた求人情報がファイルしてあるだけの部屋です。
通学過程の学生ならば、就職に関して、教員に相談したりするのでしょうが、当時の私は30過ぎた通信制大学の学生です。
非常に相談しにくい感じがしました。
もちろん通信生だろうと関係なく相談することはできるとは思います。
でも、就職は、もはや自分で切り開く年齢です。
相談したところで、どうするか決めるのは自分です。
なんてことを考えながら、その就職支援室の求人ファイルをめくっていたときの印象はというと、
なんか面接したいと思う場所はないな
というものでした。
ある求人ファイルには、こんな応募条件が書かれていました。
そこは、宗教系の法人が運営している施設です。
当法人に応募する方は、当法人の宗教に対して批判的な考えを持っていないことを希望します。
こんなことが書かれていました。
なんかこれを読んで、宗教のことを、どうこうではなく、応募する気にはなれませんでした。
他には、応募条件として
社会的礼儀をわきまえた人に限る
とか、
協調性のある人求む
というのがありました。
このようなことをいうのは、22歳前後の新卒の学生を想定した募集だったのが理由だと思います。
また、社会福祉士という資格とか、専門的技術とか、そういうことは二の次三の次でした。
まあ、大学に寄せられる求人情報というのはこういうものなのかもしれません。
結局、大学の就職支援室にある求人には、ひとつも応募することはありませんでした。
その後の、私の就職活動は、もっぱらハローワークとタウンワークになりました
タウンワークってのは、フリーペーパーの求人誌なんですが、要は何種類かのフリーペーパーからも求人情報を得ていたということです。
そうこうしているうちに、私は大学を卒業し、その就活は、卒業後も続くことになりました。
当時、介護のバイトはしていましたので、まったくの無業状態ではありませんでしたが、やはり就職できずに卒業を迎えたのは正直試練でした。
求人検索をするために通った、池袋のハローワークに行くまでのあの道、
そして求人検索機がたくさん並んでいる部屋と求人票を印刷する音
いまでも脳裏に焼き付いています。
思い出すと、今でも嫌な気分になります。
あの頃、面接には、何度も応募しました。
そして何度も不採用になりました。
社会福祉士の資格を取得した後も不採用は続きました。
社会福祉士をとったのに、なんで就職がきまらないんだ
なんて、今考えれば当たり前の青臭いことを叫んでいた時期でした。
少し具体例を紹介しましょう。
これは、平成19年7月に、ある特養の生活相談員のアルバイトの面接にいって不採用になったときの書類です
そのバイトとは、週3日位で、生活相談員の補助が仕事でした。
しかし、実際に面接で聴かれたことは、
- 介護ができるか?
- 週何日出られるか?
そればかりでした。
時給1000円くらいの仕事でした。
このとき面接は、この特養の玄関のロビーの一角で行われました。
西陽が差す座席の方に私が座りました。まぶしいのが気になりました。
心理学を勉強している人は分かるかもしれませんが、光を背にしている方が心理的には有利に話ができるとされています。
なんだかわざと西陽の差すようなところ、しかもロビーの一角で面接ということには、正直ネガティブな印象を受けました。
しかも、面接担当ともう一人現場の人とおぼしき人が二人して私をじろじろと品定めをしているようにも感じられました。
顔は、まぶしくてよく見えなかったけど・・・・
ちなみに面接では、お茶ひとつ出ませんでした。
7月なので結構暑いのにですよ・・・・・・
面接後、ワイシャツが汗だくになって帰宅した覚えがあります。
で、結局、審査結果は速攻で不採用でした。
まあ、負け惜しみでなく、ここは落とされてよかったんです。
この高橋さんは、結局介護要員が欲しかったのかなあというのが、私の、このときの面接の総括です。
それと、生活相談員の補助ということでしたが、メインの相談員さんは社会福祉士資格をもっていなかったのでしょう。
そこへ補助のくせに資格だけはデカデカともっているやつが面接にきたら・・・・
そんなやつは気に入られないに決まっています
面接担当者の隣にすわって、私を品定めしていた人が、メインの相談員さんだったのかもしれません。
そう考えると納得です。
なら最初から、募集広告で介護職を補充すればいいのにな・・・と少し思いました。
都合よく、メインの相談員が休みの日も人員配置基準を満たし、介護要員に不足があれば駆り出せる、言いなりバイト君が欲しかったのかもしれません。
その時の私は
経験がないと、生活相談員なんて採用されやしない(当時生活相談員を目指していたので・・・・)
っていう思い込みがあって、やけくそになっていた時期でした。
だから、バイトでもパートでもなんでもいいから生活相談員の経験を積みたい・・・・そう思って応募したのでした。
でも、結局は不採用・・・・・・
続いて、これは施設開設前からオープニングスタッフとして生活相談員を募集していた法人からの不採用通知です
ここでの募集は、正規職員でした。
面接会場には、介護職員や生活相談員、看護職員などの応募者がだいたい50人くらいいました。
筆記試験と面接試験があり一日がかりでしたので、昼食をどうしようと思っていたら、なんと当日その法人がお弁当を用意していて、応募者全員に無料で振る舞ってくれました。
この画像はイメージですが、お店で買えば1000円くらいしてもいいような結構おいしいお弁当でしたよ。
これはびっくりでしたね。
本気でいい人材を採ろうという気構えが感じられました。
ちなみに、このときの面接会場には、テレビ局(NHK)の取材が来ていました。
介護人材の不足をテーマにした特番のために取材をしていたようです。
筆記試験が始まる前に、テレビ局の人が筆記試験の風景を収録してもよいかを受験者に挙手できいていました。
受験者の多くは、収録に反対していました。
当然ですよ
私も反対でした。
なので結局は筆記試験場面の収録はされませんでした。
後日、その番組を拝見しましたが、やはり受験時の映像は出ていませんでした。
職場に内緒で受験してる人もいるでしょうから当然だと思いますけどね・・・
まあ、話がそれましたが、結局私の試験結果は、
やっぱり不採用でした
でも、気持ちのいい不採用でした。
他にも、まだまだ不採用の経験があります。
これは、ある障害者施設の不採用通知です
実は、現在、私が勤務している施設の不採用通知です。
つまり、私は一度不採用になった施設に勤務しているということになります。
見づらいかもしれませんが「補欠の場合は連絡する場合がある」って書いてあるのわかりますでしょうか。
一旦不採用になりましたが、半年後くらい後になって欠員が生じ、補欠で採用されることになったのです。
こういうこともあるんですね。
実は、補欠当選の連絡を受けた時、私は別の施設から内定をもらっていました。
時給1000円ポッキリの生活支援員の仕事でした。
昇給なし、ボーナスなし月20日勤務という、条件的には納得のいかない仕事でした。
そこの内定をもらっていた施設の面接が、また感じがものすごく悪くて、採用担当の男性(50歳くらいの人でした)は、私の過去の経歴についていろいろ理由を尋ねてきました。
圧迫面接ってやつですね。
私の職業経歴は、訪問介護のアルバイトや、福祉とはまったく畑違いの仕事が主です。
要は採用担当者からすれば、大した経歴にもならないバイトや、無名会社の経歴をつづった汚れた履歴書だった訳です。
- 履歴書の空白期間について、何をしていたのか?
- ある短期バイトの経歴についての辞めた理由は何か?
そのようなことについて、横柄な口調できいていました。
まあ、時給1000円とはいえ、お金を払って雇ってやるという立場が採用担当者ですし、当たり前のことを聞いているだけという考え方もできます。
そもそも採用担当者は、初対面の応募者を判断するときに、その履歴書と、過去の面接者の面接体験からくる勘くらいしか、目の前の人間を判断する素材がないので、偏った見方をしてしまうことは仕方がない側面があります。
と、一応フォローしておきましょう。
こうした実状があるので、ハローワークでは、履歴書の書き方として
「同じことを書くにしても、少しでも印象の良い言葉を使う」ように推奨していました。
履歴書を書く本人としては、ウソの経歴を書く訳にはいかないので、記入には苦労したものです。
例えば、
職務経歴欄には、
「○○会社にアルバイトとして勤務」
とは書かずに、
「契約社員として入社」
とか書く訳ですよ。
学歴にしても、通信課程であることは書かずに、
○○大学○○学部○○学科卒業
とか書いていました。
今思えば、そんなのどう書こうが、同じことだと思いますけどね。
要は、ウソではないが、少しでも面接担当者に良い印象をもってもらうための小手先のテクニックです。
私自身は、自らの経歴について汚れているなんて、ちっとも思ってはいません。
通信制の大学にしたって、自分の中では黄金の実績だと自負しています。
国家試験だって一発合格でしたしね。
でも面接では礼儀正しい社会人になりすまそうと、多くの人が自分を偽って就職活動をします。
ま、それはさておき、その時給1000円の障害者施設の仕事の面接ですが・・・・
なんだか感じ悪いなあ、どうせ不採用だからいいや
って思っていましたが・・・・
そしたら後日電話があり
採用したい
とのこと。
ムムッ・・・・(ジェイ・カビラさん風)
実に意外でしたが、うれしくはありませんでした。
時給1000円昇給賞与なしでしたので・・・
面接担当者は面接時に「給料安いけどいいの?」
みたいなことをいってましたけど、その時は「いいです」っていうしかないですよね。
よかないけど
でも、まあ、いつまで続くかは分からないが、経験になるし(生活相談員じゃないけど)やるだけはやってみるかと、採用を承諾して手続きを進めていた矢先のことです。
なんと
この施設の前に面接をしていた、別の障害者施設から補欠当選の連絡が入ったのです
補欠当選になった方の施設の労働条件は、労働条件がやや良い施設でした。休みも多く、給料を時間単価で計算すると、高いということが分かったので、私は補欠当選の方の施設を選択することにしました。
面接での感じも悪くはなかったしね
時給1000円ポッキリの支援員の施設には、お断りの電話を入れました
事務の年配の女性が電話に出たのすが、社会保険の手続きを進めていたらしく、やや不満げな声で
「あっそう」
みなたいな対応でした。
事実、迷惑をかけてしまったのは申し訳ないところですが、あまり気がのらなかったことは事実です。
断ることは仕方ない。
なるようにしてなった結果ということでしょう。
ここで、浮かぶ疑問としては、
そもそも行く気がのらないのならば、そんなところ面接にいかなきゃいいのに
って思われるかもれません。
でも就活では応募の数をこなすことが必要になることがあり、どうしても長期戦では起こりうることなのです。
希望の条件に合う募集がないからといって、家にじっとしているわけにはいかないですよね。
だから、生活相談員を目指していても、気づいたら生活支援員に応募していたということも起こりうるのです。
ほうっておくと、どんどん時間ばかりがすぎていきますからね。
当時の私からすれば、これは怖いことでした。
無業やバイトの状態が続くと就職に不利なので、とりあえず話を聴きに行ってみようということで面接を入れることになります。
だから、こういうミスマッチが起こるんですね。
で、ここで表題の答になるのですが、
ここであなたにお伝えしたいのは、
社会福祉士の「折れない思考」です
不採用が続いた時、思考は大きく2通りに分かれます。
1つは、
もうだめだ
そのように考える人
2つめは、
もっと自分に合った仕事を探そう
そのように考える人
この2通りに分かれます。
どちらの思考を選択しようが、不採用は不採用です。
事実は同じです。
だったら、自分に合った仕事を探せる2つめの思考がお得ですよね。
それが社会福祉士の折れない思考です
最近・・・・・
アベノミクスによってか、景気はよくなっているといわれています
介護業界では、昔からいわれていたことですが、
景気が良くなると人出不足がさらに悪化する
という格言があります(私がいっているだけかな?)
でも事実そうなんです。
逆に、景気が悪くなると、リストラされた人などが介護業界に流れてきます。
仕事がないから介護でもするか?
といった動機です。
しかし、当然ですが、介護のきつさに耐えられず、他の仕事がみつかると、もしくは景気が回復すると、そういう人たちは、足早に介護業界から退散するのを幾度となく目の当たりにしてきました。
いまは、まさに好景気の波がきています
介護職人材が、一斉に他業界に流出しています。
これは、介護職に限った話ではありません。
社会福祉士を含めた、福祉職全体にいえることです。
今後、労働者不足は、あらゆる業界で深刻化していくことでしょう。
働き盛りの世代が減少しているのですから必然の事実です。
社会福祉士の折れない思考をもってすれば、就活生の答えは見つかると思います。
その答えの一つをお伝えしましょう
それは
- 人材不足の深刻化は今後進行しつづける
- 社会福祉士の仕事の領域は拡大している
- 狭い意味での福祉だけが、社会福祉士の仕事ではない
だから、仕事はこのさき増える一方である
ということになります。
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