生活保護受給者が言ってはいけないこと


昨日、独居の生活保護の女性(70歳代)の訪問介護に行ってきました(土曜日は訪問介護のパート職員をしてるため)。
その方のケア内容は、透析の通院介助です。


マンションの1階まで送りのバスがくるので、私の仕事は部屋の戸締りと、利用者の車いすを押してバスポイントまでいくという内容になります。


最近、引っ越したばかりで小ぎれいなマンションに住んで、引っ越しの費用から、通院の費用、食費からすべて公費で賄われています。生活保護ですので・・・・・。
引っ越した理由は、以前住んでいたアパートが大家さんの都合で取り壊しが決まったためです。


ちなみに、この方が生活保護に至った理由は本人の不摂生によるものです(糖尿病の持病もあり)。


ご本人は自身が生活保護なのかどうかを理解しているかは不明です。


認知症はなく、会話をしている情報からは、自分が生活保護だという認識はないようです。
「引っ越しにお金がかかって大変だった」とか、「電気代がいくらかかってどうのこうの」ということはよく話しています。
申請主義の生活保護ですのでおかしな話ですが、生活保護という制度を知らないのか、知らないふりをしているかのどちらかです。


いずれにしても、生活保護受給者ではないという設定でコミュニケーションをとっています。


私は、


電気代高いですよね
とか、


引っ越しは大変ですよね、
などの相槌をうっています。


ちなみに、この方の性格ですが、一言でいうと「文句が多い、人の悪口ばかりをいっている」という評価になります
(もちろん良い面もありますが、ここではざっくりと言い切ります)。


透析の通院というのは、結構しんどいもので、雨の日も雪の日も通院しなければなりません。
しかも、生きている限りりずっと通院は続きます。
食事の制限もありますし、病院では寝ているだけのように見えますが、グーグー寝てられるほどらくなものではありません。


こうしたストレスから人の文句ばかり言う性格になっていったと考えられます。


私は、この方の他にも、生活保護の家庭に何百回と訪問介護していますので、こうした生活保護受給者のネガティブな性格が醸成されるのは無理からぬことと理解しています。


なんのかんのいっても、生活保護は他人の税金で生活の面倒をみてもらうという意識が根底にあるので、その後ろめたさを、他人への批判でごまかすということをしたくなるのもわかります。


で・・・
昨日の訪問では、同僚の訪問介護員の悪口をさんざんいっていました。


内容としては、
一昨日ヘルパーが訪問をした際に筆記用具の忘れ物をしたから、事務所に電話してやったのに、その忘れ物を取りに来たヘルパーの態度が図々しくて気に入らない・・・
というものでした(他にも細かい苦情がありましたが省きます)。


要は、苦情対象のヘルパーにも文句をいって、事業所にもく苦情の電話を入れ、さらに私にも、そのヘルパーの悪口を言っているのです。私としては自分のしたことではありませんが、謝罪の言葉を述べて傾聴するしかありませんでした。


訪問介護の経験がない方にはわかりにくいかもしれませんが、高齢者の中にはヘルパーの悪口ばかり言う人がいるのは事実です。
きっとこの手の利用者は、私のいないところでは、私の悪口を言いたい放題なのは容易に想像できます。


それでも、お客さまなので苦情を呈するのは当然認められることだとうのは理解しています。
介護サービスを提供する側としては、言っていいことと、悪いこともわきまえています。


ただし、ひとつだけ、いくらお客様であってもいってはいけないことがあります。
例え、冗談であってもです。


それは、

  • 早く死にたい
  • もう生きててもしょうがない

という言葉です。


透析の通院費や薬代にどれだけ公費が使われているか、この利用者には理解がありません。
透析の治療時間が伸びるという理由で、食事を抜いたり、勝手な自己判断で薬を捨てたりもしています。


自分がどれだけ、生活保護制度の恩恵を受け、かつ様々な人の協力のもとに生活が成り立っているかをわきまえずに、上記のような無責任な言葉を口にするのは、いかがなものかと思います。


さらに問題なのは、本気で死にたいと思ってこの言葉を言っているのではないところです。
むしろ、この人は生きたくて仕方がないのです。


「死にたいほどつらいんだよ、わかっておくれよ」
というのが、この方の言い分の正しい翻訳になるのでしょうが、私は厳しい社会福祉士なので、ここはあえて避難させていただきます。


生活保護がいけないというのではありません。
国民に認められた権利ですし、誰だって年を取れば生活保護のお世話になる可能性があります。
私だって例外じゃない。


でも、保護制度のありがたみを忘れて、もしくは軽視して
「死んでもいい」みたいなことは絶対に口にすべきではありません。


今回はかなり厳しめのことを言いましたが、訪問介護歴16年の経験から、こういう「言ってはいけないこと」を言う生活保護受給の高齢者が多いのは事実です。


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