社会福祉士は精神保健福祉士を取得したほうがいいのか?
前回は、「社会福祉士は楽して取得した方がいいのか?」というお話をしましたが、楽をしたい人ばかりではないようです。
社会人で社会福祉士の資格を取ろうとする方の中には、精神保健福祉士も取得した方がいいのでは?と考えている場合があります。
重複する科目があるし、Wで資格を取ればキャリアアップになるというのが理由としては多いようです。
ただし、社会福祉士に加えて、精神保健福祉士を取得するとなると、それなりの費用と時間が必要になります。
これは、先日、母校から送られてきた精神保健福祉士の短期養成施設(通信課程)のパンフレットの一部です。
相談援助実習を受けることを前提にしても、30万9000円必要というのはかなりの出費です。
提出レポートは、計14本、スクーリングが10日間、実習が20日間あります。
最初から、養成施設を選択した方は、ダブル資格を目指すケースは少ないと思いますが、大学で社会福祉士を目指している場合は、資格登録の時に迷うことはあるでしょう。
もし、精神の資格を追加するのであれば、学習期間は1年追加することを想定するべきです。
どんなに詰め込んでも、実習とスクーリングの調整や、レポート作成、試験など、社会人がする勉強量としては、負担が重すぎます。
もちろん攻略法がない訳ではありません。
例えば、
- レポートの質を及第点レベルにして勉強時間を削減する
- 不可になったレポートは添削された部分だけを直して再提出する
- 試験はヤマをはって勉強量を削減し、単位をたくさん取ることを優先する
などです。
要は出来るだけ手を抜くという形の学習になってしまうのですが、これは後々、国家試験受験の際に、試験勉強という形でツケを払うことになるリスクがあります。
社福と精神のダブルの受験資格は取ったけど、国家試験には落ちたということになりかねません。
受験資格さえとってしまえば、国家試験はじっくりと腰を据えて(長期戦略)やればいい
そのような考えはあるかと思いますが、それは危険です。
私の経験から述べると、国家試験の合格率が最も高いのは、最初の受験です。
受験資格要件が厳しい資格ほど、この傾向があります
モチベーション的にも高いですし、試験直前まで専門科目を履修していた訳ですから頭の中の知識も新鮮だし鮮明であるというのが理由です。
要するに、二兎を追う者は一兎をも得ずということです。
もちろん例外はあります。
例えば、これが親元から通っている、生活費の心配が当面ないという専業の学生ならば、タプル資格もありかもしれません。
ですが、社会人にはお勧めしません。
どうしても、精神の資格も欲しいというのであれば、一旦社会福祉士を取ってから環境を整えて、改めて養成施設などに入学する方法もあります。
私自身、そのように考えて精神保健福祉士の資格過程は、登録しませんでした。
でも大学卒業後は、結局は資格をとらずじまい。特に必要はありませんでした。
社会人が社会福祉士を取得する上では、いかに学習できる環境を整えるかが肝になりますので、あまりにも学習量が増えてしまうダブル資格取得はリスクが高い選択肢となります。
私の大学時代、学友の中には、資格の誘惑にはまっている人が少なからずいました。
ある学友は、社会福祉士の資格課程の他に、精神保健福祉士、認定心理士、社会教育主事、教員免許(福祉)の資格過程を追加していました。
これらの資格をどう活かすかについては不明でしたが、社会人が履修するには、明らかにオーバースタディとなります。
社福以外の資格が悪いといっているのではありません。
必要な資格を優先した方がいいということです。
精神の資格が必要ならば、先に精神を取ればいい訳です。
同時並行的に、あれもこれもと言っていると、ニッチもサッチもいかなくなる可能性が高まります。
で、今日の結論
社会福祉士は、精神保健福祉士を取得してもいいが、必要性と優先度を考えて取得すべき
ということになります。
スポンサーリンク