社会福祉士の難易度はこれで決まる
「社会福祉士の難易度はどれくらいですか?」
この質問は非常に多いです。
端的には、社会福祉士国家試験の合格率のことを知りたいのだと思いますので、ここでは、国家試験の難易度について考えてみましょう。
まず、合格基準は以下の通りとなります。
- 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点がある。
- 1を満たした者のうち、試験の18科目群(科目免除者は7科目群)すべてにおいて得点がある。配点は、1問1点の150点満点(科目免除者は、1問1点の67点満点)となる。
要は、
150問中、60%程度正解し、かつゼロ点科目がなければ合格
ということになります。
これは、最近の合格率です。
ざっくり言って、30パーセントをやや下回る程度ということがいえます。
では、この数字をもって社会福祉士は難易度が高いといえるのでしょうか?
いえいえ、ことはそう単純にはいえません。
難易度が高いか低いかを決める前に、まず、合格率を下げる要因について考えてみましょう。
下記は、これをやったら不合格というミステイクの例です。
- 試験当日欠席(病欠)
- ゼロ点科目の発生
- 名前・受験番号などの記入ミス
- 解答用紙への記入ミス(記入する段がずれることにより誤答の連続となる)
これらのミスがあると、どんなに勉強していたとしても不合格となります。
本来ならば、合格圏域に入るくらいの実力があっても、凡ミスにより不合格になってしまいます。
もったいないですよね。
続いて、
本来の実力を発揮できない要因というのもあります。
例えば、
体調不良(寝不足・風邪など)
であったり、
- 受験資格を確定させたが、仕事などで忙しく受験勉強する時間がなかった人の試し受験
- 他資格(ケアマネ・介護福祉士)の試験に集中するための試し受験
- ダブル受験(社会福祉士・精神保健福祉士)による勉強不足
といった、意図的・戦略的な理由による不合格者も一定数存在し、これらが合格率を下げています。
また、
「仕事や私事などによる都合欠席」
もあります。
これについては、受験者の年齢構成が関係しているといえるでしょう。
これは、最近の受験主の年齢構成です。
この表を見ると、受験者の年齢構成は、30歳までと、31歳以上で約半々になっているのが分かります。
30歳以下の多くが専業の学生だとすれば、後の残り半分は働きながら試験勉強をしている層が厚いと考えられます。
多忙な業務、子育て、親の介護などの私事で、試験欠席となる可能性はあります。
以上、ここまで、合格率を下げる要因の細かい要因を述べましたが、
合格率を下げる一番の要因は何だろうか?
という疑問にぶちあたります。
その答えが、合格率を30%以下にしているのです。
それは、なんといっても、
試験勉強をする時間の不足です。
その意味では、社会人の多くが、限られた勉強時間で受験することは不利であるといえます。
でも、逆に、
試験に備えて、時間的・精神的に集中できる環境がある、恵まれた人は合格率が高くなります。
人によって、集中できる環境は異なりますが、
一般的に
「生活の心配がなく、静かに勉強できる部屋がある状態」
だといっていいでしょう。
親元に住んでいたり、仕送りで生活している専業の学生は、多くの場合、該当します。
では、専業の学生が絶対に有利なのでしょうか?
実は、そうともいえません。
それは、社会福祉士を目指す理由にもよるからです。
- 親や先生に勧められた
- 他大学に落ちたから仕方なく福祉系大学にした
- ただ何となく
といった消極的理由の場合、時間があっても勉強に集中するのが難しいからです。
逆に、専業の若い学生に対して、社会人と目される年齢層(31歳以上)の場合、自らの意思で受験していることが想定されます。
中にはなんとなくという人もいますが、多くは、社会福祉士合格という願望が明確になっています。
なので、専業であれ、働きながらであれ、有利か不利かは、受験生のタイプによるということになります。
受験生のタイプとしては、
- 時間があって意欲もある専業学生
- 時間があって意欲がある社会人学生
- 時間は少ないが意欲はある社会人学生
- 時間はあるが意欲の低い専業学生
- 時間がなく意欲もない専業学生
- 時間がなく意欲もない社会人学生
いろいろなパータンの人がいますが、
要するに、資格を絶対に取りたいという願望があって、かつ勉強する時間的・精神的に集中できる環境がある人が合格率を上げているということがいえましょう。
この現象は、統計的に示すことが難しい要因ですが、私自身の体験談としても、間違ってはいないと述べることができます。
私は、30代で社会福祉士国家試験を受験し、仕事はパートタイムの介護職で、受験前3か月は、仕事を減らして、ほぼ専業の学生の状態でした。
当時、一日、10~12時間くらいは勉強していました。(仕事は少なくても家事や雑用からは逃れられないのでこのくらいが限度です)
人と会うことや、見栄っ張り、お付き合い、電話に出ること、その他試験勉強にとって無意味な行動を可能な限り放棄・遮断し、試験に集中して、試験前の3か月を過ごしました。
また、この努力を、凡ミスで無駄にしたくないという思いがあり、
試験会場の下見や、電車の乗り換え路線の確認、さらには試験当日までの体調管理を徹底していました。
私が受験したのは、早稲田大学校内でしたが、試験会場の入り口が複数あり、事前に下見をしておいて助かりました。
それから、体調管理については、消化不良や食あたりをおこすような食品は食べないようにし、試験当日の朝食は「脳にエネルギーを補給だ」とか思って、甘い和菓子を食べて試験会場に向かっていました。
では、なぜ、私は、このような極端ともいえるような行動をとって受験に挑んでいたのかというと、ある自己啓発書に一文が心に刻まれていたからです。
それは、
『思考は現実化する』
という本です。
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この本には、願望実現のための6か条なるものが掲載されています。
もともとは、巨富を築くためのもので、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの秘伝とされていますが、国家試験受験においても使える内容となっています。
私は、受験に際してこの6か条を実践していました。
特に、第1と第2条は、重要です。
- あなたが実現したいと思う願望を「はっきり」させること。
- 実現したいと望むものを得るために、あなたはその代わりに何を差し出すのかを決めること。この世界は、代償を必要としない報酬など存在しない。
ナポレオン・ヒル著『思考は現実化する(携帯版)』きこ書房 125頁より一部抜粋
この第1条と2条を実践することで、もう社会福祉士は取得したも同然となります。
合格率90%以上といってもいいです。
「代償を差し出すこと」
これが大事です。
試験の合格率を上げるために必要なことは、勉強に集中できる
時間的・精神的環境
です。
突発的な出来事・・・・大病を患うとか、家業を継がなきゃならなくなった(進路変更)とか・・・がない限り、100%合格だといってもいいでしょう。
では、逆に、
資格取得に際して無関係なものって何だと思いますか?
それは、
- 偏差値
- 人並み以上の記憶力
- 才能
これです。
上記は、社会福祉士の難易度を考える上で、もっとも必要と思われがちですが、そんなことはありまりせん。
社会福祉士の受験資格を得ている時点で、あなたは、既に人並みの偏差値・記憶力・才能が存在しています。
人並みで十分なんです。私自身がそうでした。
むしろ、才能があっても、その人の願望が他の事に向いてしまっていては、その才能を活かせないので無意味です。
なので、合格率30%前後という数字にに惑わされないようにしてください。
これはあなたの個別事情を考慮した合格率ではないからです。
皆、異なる条件で受験に至っていますので、目を向けねばならないのは、あなたの個別事情です。
社会福祉士国家試験の受験を、
- 自発的に決めたことか
- 強制されて始めたことか
さらに、
- 一日何時間勉強にあてたか
- 仕事の合間に勉強してきたか
- 勉強の阻害要因を排除したか
こういったことが合格率に関係してきます。
究極、社会福祉士の資格が難しいといわれるのは、
面倒くさいことを乗り越えようという気持ちが失せてしまうからです。
勉強時間に関しては、長ければいいとは限らないのですが、こと国家試験については、
「穴の開いた小舟の比喩」
を用いることができます。
これは、穴の開いた小舟は、穴をふさぐか、水をくみ出すかしないと沈んでしまう(不合格)ということの例えです。
穴をふさぐ、水をくみ出す作業が、代償を差し出す行為です。
穴は完全にふさぐことはできませんが、小さくすることは可能です。
日常生活では、試験勉強の阻害要因となる様々なことが入り込んできます。
入り込んでくる水が阻害要因です。
まずは、その穴を小さくすることが必要です。
その上で水をくみ出します。
一方で、小舟に浮力を付けるための行動が必要です。・・・つまり試験勉強をすることですね。
国家試験合格、という目的地に着くまで持ちこたえるだけの浮力を確保する必要がある訳です。
国家試験というのは、知識を短期間に詰め込む要素が強いので、効率と共に、勉強時間の確保も求められることを忘れないでください。
ここで、
「じっくり腰を据えて勉強しよう」
とか、
「何回でもトライして最終的に合格すればいい」
という考えは、失敗する可能性大です。
「試験が大好き」という、特殊な人を除いて、一般的に言って、期間が長引くほど、モチベーションは下がるのが試験です。
類まれなるタフなモチベーションがあるならば別ですが、最終期限は、出来るだけ短い方が有利です。
ここで、
「そんな忙しいことはやりたくないな」
と思っているとしたら、
そもそも願望実現の6か条を実践できなかった、
もしくは「実践したくなかった」、
ということになります。
合格率はここで決まる訳です。
まとめ
- 社会福祉士の難易度は、合格したいという願望の強さによって決まる
- 記憶力や偏差値よりも、勉強に集中できる環境を用意できるかどうかが重要
上記2点が兼ね備わったとき、捨てるべきものが見えてきます。
そうなれば、あなたの合格率は飛躍的に高くなります。
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