社会福祉系通信大学の勉強で分かった感情のこと
前回の記事では、社会福祉士の資格を取るために、私が通信制大学に入学し、ブラック会社を辞めるまでのお話しをしました。
今日は、その続きの話をしたいと思います。
2002年のことです。
会社を辞めるというリスクをとった私の最大の代償は、不安定な生活をするということでした。
安アパートへの引っ越しを終えると、私は生活費の心配をする必要がありました。
多少の貯蓄はあったので、大学卒業までの学費については、何とかなりました。
通信なので学費は、諸経費を含めても、年間20万くらいでしたから、そんな莫大な金額ではないです。
あとの心配は、学生でいるであろう、今後数年間の生活費です。
そこで私は、生活を維持させるために、次の方針をたてました。
- 節約生活をすること
- 訪問介護のバイトを週に1~3日すること
この2つです。
大学一年次入学の場合、最低でも卒業まで4年かかります。当時、私は大学の2年次でしたので、最低でもあと3年分の生活費を考える必要がありました。
その間、
できるだけ生活費を抑えながら、貯蓄を少しずつ取り崩し、介護のバイトで収入を得る
この方法で、大学卒業までたどり着くことを計画したのです。
そんな生活は成り立たない。できるわけがない。
そう言われてしまうかもしれません。
でも、意外といける
これは、実際に試してみた結果、私が感じたことです。
生活していくうえで費用のかかる家賃と食費を抑えることで、かなり生活費は低く済む
あー結構生きていけるんだなってことが分かりました。
ちなみに食費に関しては、定価販売のコンビニで弁当を買うのではなく、安売りのスーパーで割引の商品を購入し、できる範囲で自炊することでかなりの節約をしていました。
自炊は、健康にもよい影響があるのでお勧めです。
炊飯器でコメを炊く。野菜を洗って切る。
飲み物は、販売機で買うのではなく、常に水筒にお茶を入れて持ち歩いていました。
こういう細かいことは、セコイかもしれません。でも、この積み重ねが本当は、すごく大きいんです。
とまあ、これらは、生活費を抑えるための、単なる節約話です。
でも実は、
こうした手段のことは大した問題ではないのです
それよりも、私は学生生活を始めてから、一つ重要なことに気が付きました。
それは、
自分の感情の処理をする
という最後の調整課題でした。
これが済んで始めて学習環境が整うといってもいいくらいです。
生活レベルを下げたり、安いものを食べて生活するというのは、本来は難しいものです。
- 自分はみじめなんじゃないか?
- かっこ悪いのではないか?
という不安が常に付きまとうからです。
これを克服するには、
他人に何を言われようが、自分の意志を通す
という、強い意志の力が必要です。
これには感情の処理が必要です。
格好つけようと思ったらこんな生活はできないでしょう。
ほうっておくと、知らず知らずのうちに感情は、ネガティブな方向に流されていきます。
こんなみじめな生活をして、自分はなにばかげたことをしているのだ?
こんな思いにかられ、眠れない夜を過ごしたことも多々ありました。
で、私はどうしたか?
そんなことを気にするな
と、自分に言い聞かせてみたり、時間が過ぎて忘れるのを待つということは、既にやっています。
でも、こうした口先だけの気休めの言葉は効果がありません。
私がここで求めていた、感情の処理というのは、もっと強い力のあるものでした。
誰に何を言われようが気にしないというレベルが半端ない力です。
で、気づいたことは、何か?
それは、
自分の自分に対する声です
他人に何を言われても気にするなというのが、ここでの話ですが、実は、この他人の中には「自身の心の声」も含まれています。
自分が自分に対して、否定するようなことを言ってしまったら、自分の願いは絶対に実現できないのではないか?
そう思ったんです。
例えば、あなたが自分に対して「社会福祉士の資格を取るのは無理だ」と否定的に語りかけたとしましょう。
そうなると、それを実現するための生活なんてできなくなります。
この時点で、資格を取るために必要なリスクを避け、現状を維持することが、無意識の願望になってしまうので、社会福祉士の資格を取りたいって願望は消えてしまうでしょう。
だから、他人の言うことに影響されてはいけないし、ましてや自分が自分に対してネガティブな言葉をかけてはいけないと思うんです。
私が、当時、こうした心の法則に気付けたのは、実に幸運でした。
感情の処理が大切
感情の処理といったのは、私が実際に自分の意志を突き通したことで、沸いてきたある感情がしつこくまとわりついていたからです。
それは、
- 好きなことを通して申し訳ない
- 自分を一番に優先して申し訳ない
- 他人の期待に応えないで申し訳ない
こんな感情がいつもまとわりついていました。
つまり他人のことを気にしすぎる感情です。
これらを処理しなくてはならないというのが言いたいことです。
究極、人のために生きるか、自分のために生きるかということです。
何も、一生非情になって生きましょうということではありません。
大学に行っているほんの数年の間のことです。
だから、どんなに申し訳ないという感情がわいてきても、そんなものは切り捨てていっていいと割り切りました。
私はこのことに気付いて以来、劇的に勉強に集中して取り組むことができるようになりました。
以下は、ある日の平均的な学習スケジュールです。
5:30 自宅で教科書読み
10:00 図書館へ行く。本の返却・受け取り・予約をする
10:40 自宅へ戻りレポートの下書きをする
12:00 食事
12:20 レポート書き、スクーリング申し込み手続きの事務作業をする
17:30 買い物などの家事を行う
19:00 食事
20:00 レポート書き、科目修了試験用原稿の下書きを行う
24:20 レポートの校正作業、編集を行う
25:00 就寝
かなり長時間勉強に時間を割いていることがわかると思います。
日によっては、このタイムスケジュールよりも、もっとハードな勉強をこなしていました。
特に科目修了試験の前日などは、暗記することも多く、寝る間を惜しんで勉強していました。
人付き合いとか、義理とか、しがらみとか、そういうものは棚上げです。
今まで勉強できなかった分を取り戻すことに集中し、私は乾いた砂のようになって知識を吸収していきました。
でも、そこに苦痛や悲壮感は、まったくありませんでした。
何を言われようが、何を思われようが構わない
という感情の処理ができるようになっていました。
それにしても「他人にどう思われるかという感情を根絶する」というアイデアには、私にとって強大で、魅力的なパワーがありました。
少なくとも、生活費を捻出することであったり、大学で単位を修得するという問題は、自分が自分をコントロールすることで対処可能なシステムに成功のカギがあることがらです。
自分さえしっかりして、この問題を手放しさえしなければ、必ず成功への道が開けると信じていました。
だから余計な感情は、すべて捨て去ろうと決めたんです
通信制大学を卒業するという目的を達成するためには、どんなことでもしよう。
私は、自分とそのような取引をしたのです。
こうして私のマインドセットが完了しました。
本格的な履修生活のスタートです。
実はこうした極端な感情処理は、後に、大学を卒業してから、大きな感情の反動をもたらすことになり、燃え尽きを経験することになるのですが、その時は知る由もなく、もはや自分を止めることはできませんでした。
リスクを取り、大きな代償を支払ったものは、それ以上の利益を得ることができる
勉強さえできれば、後のことはもう、どうでもよかったんです。
そういうやけくそがありました。
では、ここで、この話があなたにどう参考になるのか?
それが重要ですよね。
あなたに参考にしてほしいのは、
私が勉強をしたくてしていたということです
つまり、自分を通したということです。
人間は、本来、自分が欲するものしか手にすることはできないと思っています。
このときの私が欲していたのは、大学で学びたいということでした。
もしあなたが、社会人でこれから社会福祉士の資格を取得しようと思っていたら、それは好きなことか?を検討してみてください。
勉強は嫌いだが、資格だけは欲しいと思えてしまう場合は、もっと慎重に、より心の奥に耳を傾けてみてください。
なぜ資格が欲しいのか?
そのとき、他人が無責任に言ってくる
- 社会福祉士の資格なんて取っても無意味だ
- 資格をとっても仕事はない
そんな雑音は、一切遮断して問題ありません。
あなたが資格を取りたいと思う本当の理由が大切です。
でも、他人の目を気にする「もう一人のあなたの声」にはくれぐれも注意してください。
理由はなんだっていいんです。本当の理由であれば・・・・・
それを他人に説明する必要もありません。
取りたいということが本当であるなら、そのために必要な勉強が好きである可能性は高いです。
まだ、勉強したことがないことだから、気づいていないだけなのかもしれません。
あなたが、好きだと思えること、本当に欲していることであれば、それはもう実現したも同様です。
後は手段を考えて、行動に移すだけだからです。
- 会社を辞めた方がいいのか
- 辞めない方がいいのか
それらは手段に過ぎません。
やりたいことが定まったら、最適な手段を選択する方法を考えればいいのです。
- 社会福祉士の受験資格を得るには、通信制大学がいいのか?
- 養成校がいいのか?
- それとも、通学過程がいいのか?
- 夜間の通学過程がいいのか?
これらも手段です
勉強は、強制的にするか、自発的にするかで、その効果が大きく異なってきます。
もし、あなたが、なにか自発的に学びたいと思っていることがあるとしたら、それは成功する確率が非常に高いです。
こんなことなら、もっと早く辞めけばよかった
これは、私が会社を辞めて勉強を本格的にスタートさせたときに感じたことです。
決断をする前は、
- 仕事を辞めたらこの世の終わりではないか?
- 世捨て人になるのか?
そんな幻想や恐怖にとらわれていた自分は、ここで姿を消し、私は改めて、
行動してみて初めてわかることがある
という経験則を手にすることになりました。
大きな報酬です。
会社を辞めたからといって、世の中が困る訳ではないんです。
少し話が長くなりました。
続きは、また次回お話しすることにしましょう。