社会福祉士は資格難民か?
ある仕事をするために必要とされてるのが資格や免許です。
医師・看護師、弁護士などが代表的なものでしょう。
だから皆、資格を取るための学校に時間とお金をかけて通うことになります。
ところが資格をとっても、その仕事に就けない人がいます。
社会福祉士の場合も、資格をとったのに活かせないという話をよく聞きます。
ちなみに、社会福祉士は仕事の名前ではないので、資格がなくても福祉の仕事をすることは可能です。
相談員系の仕事であれば、社会福祉主事があれば事足りることが多いです。
では、
社会福祉士は資格難民か?というと、そんなことはないです。
資格難民というのは
「資格を取ったけど、その資格を必要とする職業につけない」
人のことを意味します。
社会福祉士は、えり好みをしなければ、いくらでも仕事のある資格ですよ。
介護や支援員、相談員の仕事はあふれています。
にもかかわらず、資格難民を主張する人は、結局やりたい仕事がなかったり、労働条件が割りに合わないと感じているからです。
社会福祉士及び介護福祉士法の定義を読んで、
直接的に社会福祉士の資格を活かすことにこだわっているために
「自らの専門性を活かす場がない」
と思いこんでしまっているのも原因です。
例えば、地域包括支援センターにおける相談員の仕事を考えてみましょう。
資格難民の人は、
地域包括支援センターの社会福祉士は必置職種なのだからといってこぞって応募するのかと思いきや、条件が合わないので避けていたりします。
包括の相談員の仕事は、総合相談とされていますが、実際にはいわゆるゴミ屋敷の片づけだったり、ねずみが死んでいるからなんとかしてくれみたいな、何でも屋みたいな仕事だったりします。
電話でとりとめのない介護系の愚痴や苦情を延々ときくという仕事もあります。介護保険関係の書類作成など事務的な仕事も多いです。
こうしたことから、現場に入ってみて理想と現実のギャップが大きくなってしまい、「社会福祉士の資格が活かせない」と悩んで辞めていくことになりがちなのが包括です。
もちろん、労働条件が悪かったり、対価として見合わないことから辞めていく人もいます。
他の施設などの相談員系の仕事も、包括と似たようなところがあって、要は相談・支援業務というのを何か特権的な仕事のように思っている人が多いのを感じます。仕事は実際に勤務してみるとイメージと違うので、数年続けていると辞める方向に傾いていきます。
要は、
或る役割をこなすためのツールとして社会福祉士資格をとらえてしまうと落胆することになるわけです。
そうではなくて、資格なんか関係なしに、自分は何の仕事をしたかったのか?を真剣に考えれば次の行動が見えてきます。
資格が仕事をすることは、この先どこまでいってもありませんので、もっと自由にやりたいことを目指せばいいと思います。
公認会計士だろうが、弁護士だろうが公認心理師だろうが同じことがいえます。