資格と実務が直結しないことの弊害

資格をとると貧乏になります
というこの書籍に気になる記述がありました。

「税理士事務所が税理士を採らない理由」
というものです。

税理士事務所には税理士資格のない職員がいます。
もちろん税理士を目指して勉強しているが、中々合格はできていない。
実務に追われているからである。
試験にこそ受かっていないが、実務はかなりこなしており、事務所では戦力になっている税務のプロ。こういう人たちがたくさんいるのだという。

こういう職場では税理士を採用しにくいといいます。
それはなせか?

ちょっと考えてみればわかります。この職場へ、資格は持っているが実務経験のない(何もできない)人物がきたら、とたんに攻撃の対象となってしまうでしょう。

無資格の職員からしたら、資格はあるが実務のできない職員は、おもしろくない存在なわけです。

納得しました。

さて、この事例を社会福祉士にあてはめてみると、思い当たるふしがあります。

そうです。

社会福祉の現場には、社会福祉士資格のない相談員が、まだまだいます。
相談業務は無資格でもできるからです。先ほどと同様、この職場に、資格はあるが実務のない人物がきたら、きっと無資格の相談員は面白くないはずです。

実は私、この状況を経験していました。
もう10年くらい前の話ですが、小規模デイサービスの生活相談員として勤務したことがあります。そのとき社会福祉士資格をもっているのは私一人だけ。古株の介護系の無資格ベテラン職員は面白くなさそうな顔をしていたのを思い出しました(私がくるまではその古株が相談員の役をしていた)。
雰囲気が悪くて1か月ほどで辞めてしまいましたが・・・・

まとめ
税理士事務所の無資格税務マンと、無資格相談員がいることの職場構造は同じということです。

そもそも、資格と実務は直結していないからこのようなことが起きるのですが、それは資格制度を作った人を責められないと考えています。

資格のカリキュラムをどんなに実務よりにしたところで、所詮は実務を模したものに過ぎません。

「実務の経験は実務で積むしかない」
これが現実です。

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