生活支援員とは何かを世界一わかりやすく
社会福祉士は、相談援助だけが仕事と思っていませんか?
でも、生活支援という仕事もあります。
私は、現在、とある障害者支援施設(通所)で生活支援員として勤務しています。
生活支援員は、社会福祉士の実務経験としても認められている職種ですが、具体的に何をしているのかわかりにくいのではないでしょうか?
相談援助と生活支援は、どう違うの?という疑問も、ごもっともです。
(相談援助と生活支援に本質的な差はあまりなくて、勤務する施設の役割や対象によるところが大きいといえます)
今日は、生活支援員の仕事内容と方向性について、お話をしていきたいと思います。
ざっくりとした仕事内容
簡単にいうと、障害者が利用するデイサービスの仕事です。
利用者である障害者の身体的機能や行動特性に合わせた身体的介助する、これがメインです。
身体的介助には、水分を飲む、食事介助をする、排せつをする、着替える、施設外への外出介助などがあります。
- 自閉症
- 聴覚障害
- 知的障害
- 視覚障害
- 身体障害
上記の障害が重複した人等など、障害の程度や種類は多様ですので、その人にあった介助法があります。
職員の属性
障害者施設は、社会福祉士の実務経験として認められていながら、実際には保育士や教員免許で勤務している人がいたりします。
措置の時代には、本格的な社会福祉専門職資格がなかったことのなごりですね。
特に公立直営施設の場合、元々保育園勤務から移動になって、支援員にというケースが多いです。
民間施設、または民間委託施設の場合、平均年齢の若い職員構成になります。
保有資格としては、介護職員初任者研修や介護福祉士資格の割合が高いです。
大人の保育園?
障害者施設は、大人の保育園といえば、イメージが付きやすいかもしれません。
18歳以上の大人が通う施設ですが、職員の中には、利用者を子ども扱いしているかのような言葉がけをする人を見ます。
利用者の知能的なレベルにあった処遇をしているともいえますが、外部の人がみたら違和感を感じるかもしれません。
最近は、そうした外部の視線を意識して、職員は利用者に対して敬語を使うようになっていますが、なかには脳機能上、保育園の先生のような話し方をしたほうが伝わりやすい方もいて、一概に敬語を使えばいいというものではないといえます。
職員の傾向
思い込みが激しい職員が結構います。よく言えば、熱い想いをもって仕事をしているともいえます。
でも、思い込みが強くなりすぎると
「利用者のことを、一番よく理解しているのは自分だ」
という感覚になってしまう傾向があります。
長くこの仕事を続けている職員ほど、こうした思い込みは生じやすくなります。
社会福祉士の資格を活かせる職場なのか?
生活支援員は、その業務実態として、介護系メインの支援員と、介護系がメインでない支援員(調整業務が多い)の二通りがあります。
この二つの支援員の分かれ目は、事業所、雇用形態、対象利用者の障害特性によって変わってきます。
ちなみに、生活支援員としての業務は、介護福祉士、社会福祉士ともに資格取得のうえでの実務経験として算入できますが、両方の福祉士の資格には使えず、どちらか一方のみです。
つまり、介護福祉士の実務経験として生活支援員の実務を算入したら、その後社会福祉士の資格を取ろうと思ってもその実務は使えないということです。逆の場合も同様となります。
私の場合、いま所属しているグループが身体介助的な要素が少ないので、非介護系の支援員と思いますが、2年前は重症心身障害者のグループでしたので、めちゃくちゃ介護系の支援員でした。
(障害者支援施設では、利用者の障害特性に合わせてグループ編成して支援することが多い)
しかし、どのような障害の利用者を支援するにしても、単に介助をするだけではなく、支援者の言動や性別、ボディランゲージ、手話、指文字など、その他あらゆるコミュニケーション手段を用いて、障害者の自立を支援するもので、現場に介護系とか非介護系とかいう区別はありません。
結局、障害者支援施設において、社会福祉士は十分に活かすことのできる資格といえるでしょう。
収入について
民間委託施設における給料は、他の福祉職種と同様で低いのが現状です。
民間委託化が進んでいる中で、公務員が直接運営している施設については、少数派であり、公務員待遇で働く生活支援員は一般的ではありません。
民間の場合、常勤であっても月20数万もらえればいいほうでしょう。
メリットは、通所施設の場合は夜勤がないという点ですね。残業も少なめの方です。入所型の施設であっても、夜勤はありますが、時間外勤務は少ないという職場は多いです。
まとめ(方向性)
机の上で相談を受けて、専門知識を活かしてアドバイスをする。
このような相談援助のイメージをもっている人にとって、生活支援員の仕事は望む仕事内容ではないかもしれません。
実際、介助の仕事は多いですし、男性の場合、抱えたりする力仕事のニーズも多々あります。
ですが、様々な障害特性をみられるという意味では経験になりますし、実務経験にもなりますので、
一定期間勤務してみるのことは悪くないでしょう。
ただし、収入面では、期待できないので、副収入を得る手段を講じる対策が必要となります。
専業主婦などで、収入よりも、勤務時間が大事という場合はよいのですが、世帯主がメインの収入とするには、心もとないのが現状ですので、生活支援員を目指している方は、その点を考慮して決めるのがよいでしょう。
生活支援員をメインの収入源として考えている場合は、
単なる介助人員で終わらず、一介の現場仕事だけで完結せず、将来的には他の部署に異動になったり、管理者になったり、他の仕事に転職したりすることを前提にすべきです。
苦節30年、障害者施設に現場の職員として従事という人はまれです。
そのため、現場での経験を次の仕事に生かす視点をもっておくことが望まれます。
正直、
50を過ぎてやるのは体力・精神的にきついかな?
と思います(特に男性の場合)。
要するに50を過ぎて介護職をやるのと同じことです。
生活支援員としての経験は、他の相談援助業務やMSW、成年後見人、引きこもり支援、更生保護などの業務に就く際には、土台となるものですので、ご自身が目指す方向性を忘れずに仕事に就く姿勢が必要でしょう。
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