年齢を重ねても通用するスキルとは何か?
介護や看護などは、本来専門的技術が必要とされる仕事です。
にもかかわらず、実態としては年齢が高くなるほど転職や就職は困難になります。
例えば、経験豊富な人が50歳を過ぎてハローワークに行き、正規社員の仕事に応募しても年齢ではじかれることが多くなるということです。
ただしパートや契約社員、派遣であれば仕事はあります。
この現象からいえることは、結局、介護・福祉・看護の業界は、スキルを求めていないということです。
企業が求めているのは、
「若さ(上司より年下)と即戦力になる経験、他社員との協調性、文句を言わずに働く従順さ」です。
なんとも欲張りな要求です。
もちろん、スキルがあればなおよいと言われていますが、年齢が高いというだけで、採用に二の足をふんでしまというのが企業の人を見る眼力のレベルです。
無期限雇用の正社員をいったん雇ってしまうと簡単には解雇できないというトラウマがあるので、仕方がない側面もあるのですが、それにしても人を見る目がなさ過ぎますね。
最初は非常勤や非正規で雇用して、働きをよく観察して、「この人ならば」という人を正規で雇用すればいいのにと思うのですが、
実は、採用側からすると、この方法も取りたがりません。
時間単位の給料、つまり自給換算した収入がバイトと変わらないような名ばかりの正社員であれば別ですが、
給料の高い正社員を雇用し続けるのは正直しんどいと思っているのが採用側の本音です。
すでに安い賃金で、人を取っかえひっかえして何とか回しているのに、なぜこんな高い給料を払わなければならないのか?
と考えしまうのです。
上記のような現実を踏まえて
「年齢を重ねても通用するスキルとは何か?」
というと、
「個人で換金できる技術やノウハウ」
ということになります。
労働者は労働力を提供してお金をもらっています。
だから会社にいるかぎり、年齢を重ねても通用するスキルはありません。
あるとしても、そのスキルは安く扱われます。
例えば、介護福祉士が、介護技術を高めたら、いくら収入が増えるかを考えればわかります。
では、どうすればいいのか?というと
「雇われながらでもいいので、時間をかけて準備をしておく」
ということになります。
何を準備すればいいのかは人によってわかれますが、社会的に付加価値の高いスキルをみにつけることをお勧めします。
介護・福祉・看護も価値が高いもののはずですが、採用する企業などが、その価値を認めていない以上、その現実を受け入れて対応するしかありません。
今の労働者不足や旧態依然の雇用システム、年金制度の保険料負担、AIの導入を考えると、今後の介護・福祉・看護業界は、激変するでしょう。
自らの専門性の枠にとらわれないで、社会的に価値の高いスキルを身に着けることを頭の片隅に置いておくことが重要です。