介護士が希望を失う前にというCMに思うこと

人材不足を主な理由として、特別養護老人ホームが閉鎖する時代がとうとう訪れてきました。
社会福祉法人ライトの一件を受けてこの記事を書いているのですが、今後も似たような事例は起きることが予想されます。

突然ですが、ベストライフのCMを覚えていますか?
介護職の本音を見事に言い表したセンセーショナルなコマーシャル

今から十年以上前のことだが、老人ホームのCMで物議をかもしたことがありました。
このコマーシャルは、今の介護士の気持ちをかなり適格に言い表しています。

介護の仕事に志をもって入ってきた仲間が去っていきます。
介護士は感じています
この仕事に未来を託すことへの不安。
現場で働いているからこそ、誰よりも強く感じています。
介護制度にあなたの声をください
介護士が希望を失う前に。

介護の仕事を志して入ってきた仲間が辞めていきます。
介護士は感じています
この仕事に未来を託すという不安。
介護士には、この国の介護の未来が見えません。
介護制度にあなたの声をください
介護士が希望を失う前に。

株式会社ベストライフのテレビCMより

一般の人に向けて介護の実情をしってもらうための広告であったが、このコピーは今でも忘れられません。

あれから10年以上が過ぎたが、現状はあまり変わっていない・・・
変わったのは、介護職が低賃金であることが世間に知られるようになったことくらいでしょう。

あの時去った仲間はどこへいったのか?
そして介護職は、もう希望を失っているのではないか?
そんな思いが頭をよぎります。

あのCMに出ていた人は実際にベストライフに勤めていた介護職員だったというのは後から知りましたが驚きました。どうりで心を揺さぶるわけです。

このCMに対する反応はさまざまでしたが、

  • よくぞ言ってくれたと称賛する意見
  • 大変なのは介護の仕事だけではない
  • 介護はボランティアでやるべき
  • 希望なんかもうない

どの意見も、一面では現実を言い当てておりその通りだと思います。

税金や保険料という形でほとんどの国民からの負担で成り立っている介護保険制度ですから、こうした意見は真摯に受け止めるべきでしょう。

ちなみに、ベストライフは現在でも経営を続けている福祉事業者です。

まとめ

今後、人材不足による介護施設の閉鎖や倒産は増えていきます。
介護士が本当に希望をなくしたら、別の仕事をするために辞めていくばかりです。
これは、もう仕方がないことです。
行きつくところまで行った方が改革が進むのかもしれません。
つまり、本当に誰も介護職を目指さなくなったそのとき、介護職の価値が上がって待遇が改善する時がくるということです。

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