就活ウェブテスト代行依頼は割に合わない
民間企業への就職するにあたって、公務員でいうところの一次筆記試験をWEB上で行うところがあります。
受験生には、IDやパスワードが与えられ、実際に試験会場に出かけるひとなくウェブ上で試験が受けられるというものです。
今回、この就活ウェブテストにおいて替え玉受験が発覚して思うところを書きます。
まず、一次の筆記試験を代行してもらったところで、面接は本人が行くしかない点に問題があります。就職試験においては、公務員も同様ですが、面接が重視されるところがほとんどです。筆記試験の成績はあくまで適正検査であって、いわば車の免許でいうところの視力検査のようなものです。
実際に出された試験を見てみたら、公務員試験でよくでているこのような問題です。
PQRSの4人が一冊の本を順番に読んだ
4人の読んだ順番について、次のことがわかっている。
①Sの次にPが読んだ
②最初に読んだのはRではない
次の推論のうち、必ずしも誤りとはいえないものはどれか
推論ア・・・・・・・
推論イ・・・・・・・
推論ウ・・・・・・・
こんなような問題です。
先日受けた公務員の試験でも似たような問題が出ていましたが、本当によくみるありふれた問題です。こうした問題を替え玉で受験してもらい、その企業に就職しようとしたわけですが、やはりこれは割に合わないといかいいようがない。
この替え玉については、ニュースによると4年ほど前から行っていたようですが、請け負った替え玉の数をは数千にもおよび、中にはこの不正行為によって内定を得て、実際に就職できた人もいるかもしれません。
では、不正であっても就職できた人は割に合うのか?というと、今回の摘発によって不正が発覚するのでは?という不安を持ち続けなければならないことを考えると、結局は割に合わないということになるでしょう。
私自身、公務員試験の一次試験で、いまのところ4回落ちた経験があるので、替え玉を依頼した学生の気持ちは、実はわかります。就職の面接というのは残酷なもので、一時の筆記に受からなければ話すら聞いてもらえません。学歴フィルターも存在しますし、いい条件の就職をしたい学生にとっては面接対策に集中して内定を勝ち取りたいという思いだったのかもしれません。
世の中には、就職活動などせずに親のコネで入社できたり、外見のよさで就職している現実がある中、一次試験を替え玉しただけで不正を問われてしまうことに不公平感を感じる学生がいても不思議ではありません。
しかし、不公平なのが世の常である以上、それを逆手に取る方法をさぐるしかありません。
今回の事件を受けて、企業側は何かしらの不正対策を取り入れてくると考えられます。例えば、筆記試験を面接の場でもう一回行うとか・・・・あるいは面接の場で筆記試験の問題の解き方を問うたりとか・・・・があります。
なんとも二度手間でばかげていますが、正直に受験している人にまで不正の疑いの目をもって採用試験を行う企業側には、より人材獲得のコストがかかってくるでしょう。
まとめ
就職の面接というのは、よくお見合いにたとえられます。どんなに形式が合理的で公平であるように見えても、実は相性で決まったり、コネや人事の好き嫌いで決まってしまうのが就職活動というものです。
翻って、人間がすることである以上、ほとんどのことにこれが当てはまります。
人間は、結局好き嫌いという感情で物事を決めて動いている。
もちろん、そんなことは公に認めることは決してありませんが、会社というものは、その会社のトップの好みによって右にも左にも動くものなのですからね。