成年後見人の不正が起きる理由

社会福祉士が後見人になっていて不正が発覚するケースが増えています。
最近では、2755万円を着服した社会福祉士が告発されていました。

不正の理由は、自身が経営していた障害者施設の経営悪化の補填のためとのことです。

別の事件では、介護支援事務所を経営していた社会福祉士が、被後見人のお金を着服したという例もありました。

経営悪化の補填というのは「体のいい言い訳」に聞こえますが、根本的には
社会福祉士に「お金を扱う力がない」
ことをあらわしています。

適正のない人が後見人になれば着服の事件が起きるのは当然の結果でしょう。

先行きの見えない経営をしている中で、目先に他人の通帳やら現金がチラチラしている。

こういう状況の人が後見人業務を請け負うことは、そもそも避けるべきなんですね。

たしかに独立型社会福祉士の経営は厳しいものがあります。

もともと効率化を求めにくい福祉の分野で収益を上げようということ自体に無理があるんです。

社会福祉士が独立するためには、経済的基盤をしっかりすることが重要です。

高齢者の中には、おどろくほどの財産を所有しているケースがあります。

福祉職をしている限り、一生、稼げない額をもっていたりします。
おまけに持ち家で、しかも年金の額も現役世代なみにもらっている人もいます。

その時、後見人に経済的問題が生じたらどういう心理状態になるか?
ここを考える必要があります。

成年後見人として不正をおかしてしまったら、社会福祉士としての生命線が断たれることになります。

資格のはく奪にならなかったとしても、精神的にはとても続けられません。

お金を扱えない人は、安易に後見人業務を請け負わないほうがいいですね。

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