利用者に刺される介護職員
高崎の老人施設で、認知症の利用者がハサミで介護職員を刺して、殺人未遂で逮捕される事件がありました。
介護職員が利用者を虐待するニュースは多々ありますが、利用者が職員に暴力をふるって報道されるのは珍しいです。
この介護職員は、ハサミを持っている利用者を注意して刺されました。
この点に関しては、施設の管理責任を問う声が出てくるでしょう。
つまり、ハサミを手に取れるようなところに置いておくのが悪いという避難です。
確かにハサミのような凶器になるものは置かないのがいいと思いますが、では皿を投げつけたらどうなるか?フォークで刺したらどうなるか?ということまで考えないといけないと思います。
あらゆるものを隠しても、人を傷つける道具はゼロにはなりません。
究極、素手だって相手を傷つけることはできるのですから、ハサミについてだけ管理責任を問うのは難しいという印象があります。
今回の事件で介護職員であることのリスクが明確になりました。
それは、ケガをさせられるリスクです。
認知症の人に罪はないのでしょうが、結果として、誰かを傷つける可能性があることは事実です。
介護職員を叩いたり、つねったり、暴言を吐いたり、陰湿な行動をとったりする・・・・
このようなことは、これまでもあったのですが、認知症だからとか、高齢者だから、利用者だからということで流されていただけです。
今回、刺された介護職員は軽傷で済んだようですが、一歩間違えば最悪の結果になっていたかもしれません。
利用者から職員への暴力
このような事態に対して、介護職員は非力です。
社会福祉は、利用者からの暴力に対処する方法を教えてはくれません。
私としては、施設で刃物を持った老人を見かけたら、周囲の利用者を安全な場所に誘導し、警察を呼ぶという対応が妥当としかいえませんね。
上司の「襲ってきたらよけろ」という指導は間違っています。
そういう問題じゃない
「認知症の利用者が不穏になる理由を考えて介護しろ」
というのも論点がずれています。
まずはケガをしないことが何よりも大切です。
ハサミを振り回す人は、もはや利用者とは呼べないのです。