社会福祉士レポート実例(臨床心理学-設題2)

女性カウンセラー

社会福祉士のレポート作成にお悩みの方へ

実際のレポート作成例をここに提示します。


心理療法については、様々なものが存在しますが、実際にそうした技法を目の当たりにしたことのある学生は、カウンセラーなど、心理を実務にしている人を除けば少数です。


なので、実際には、臨床心理学のレポートを書く上では、テキストから得られる知識から書くことになります。


大学でも、そのことは十分承知していますので、ここは思い切って、ご自身がカウンセラーになった気になって文章を書いてみても、全然恥ずかしいことではありません。


ドラマや映画で観たカウンセラーをイメージしながら、テキストから知識を得てレポートを書いてみるのも一案です。


レポートを書く上での、こうした前提は、心理学のレポートに限らず、実は、他の社会科学のレポートにも広く言えることです。ある意味において想像力がレポートの発想を与えてくれるものという側面があります。その結果、大上段の上から目線で論じることがあっても、大学のレポートでは普通に行われていることだと思っていただいて問題ありません。


時々、文章の端々に「私はまだ社会福祉士ではないのでわからないが・・」とか、「カウンセリングをしたことがないので・・・」などの一文を入れる人がいますが、こうした一文は不要なので書かない方がスッキリします。


また、教員も学生に対して「経験がないのに知ったようなことを言ってはいけません」なんて言いませんので安心して大丈夫です。


教員自身もカウンセラーの経験があるとは限りませんし、社会福祉士とも限りませんので・・・でも専門知識はちゃんと持っているのです。


ただし、経歴を詐称しているととられるような書き方をするべきではありません。例えば、カウンセラーではないにもかかわらず「私の担当したケースの例でいうと・・・」といった書き方をしてしまうと、それは事実と異なる例になってしまいます。


カウンセラーであると「仮定」して、もしくは「なった気分」でという文章を書くことが大切です。

設題2

「心理療法について述べなさい。」


 心理療法とは、人の感情的な安定を回復するために、特定の心理的技法を適用することを意味する。心理療法の分野は非常に広いものであるが、ここでは心理療法の主要な技法として、支持法、表現法、洞察法、訓練法を取り上げ、それらについて考察し、まとめていく。

1.支持法
 不適応状態にあるクライアントを対象として、クライアントが遭遇するであろう不安や恐怖を、治療者が受容・援助することで、クライアントの安定や、当面の不適応症状の軽減を図ろうとするものである。
 具体的には、⑴むやみにクライアントを励ますのではなく、性格や能力における優れた点を認める、⑵身体的不安の強い場合は医学的検査をして不安を鎮める、⑶欲求を無理に抑制しているのであれば、それを合理的に解放するような助言をする、⑷職場などの環境に問題があるなら、人事課と相談するなどして適応が容易になるように環境条件を整えるといった方法がある。
 支持法は、他の心理療法の基盤を成すものであり、基本的姿勢として、全ての心理療法の中に潜んでいるものといえる。

2.表現法
 子供や成人を対象として、遊びや作品作りなどを通し、不適応の背景にある不満や感情を浄化(カタルシス)させ、自己治療力の向上や人格の発達を促そうとするものである。具体的には、遊戯療法、箱庭療法などがある。
⑴遊戯療法
 遊びの持つ浄化作用・自己表現・退行促進といった特性を媒介としながら、治療者とクライアントの関係に支えられ、子供の自己治療力を高めていくというものである。遊びの場を含めた、自由で保護的・受容的な環境を提供し、ときに治療者と子供が一緒に遊びながら、子供の遊び(表現)の意味を理解しようとする。
 遊戯療法の理論には、精神分析に始まり、クライアント中心療法・関係療法など様々な立場のものがある。
⑵箱庭療法
 砂を入れた木箱の中に人形・動物・乗り物・建物などのミニチュアの玩具を並べたり、砂をいじるなどして作品をクライアントに作ってもらうものである。そのとき治療者はクライアントが安心して作品作りに集中できる環境を提供するよう心がける。また完成品ついてクライアントから話を聴いたりすることもある。
 箱庭によって表現された作品は、様々な解釈が可能であるため、治療者は作品を理解するための理論を持つ必要があるとされる。しかし、複雑な理論となりがちで、その適用は容易ではない。

3.洞察法
 不適応な状態や心理的な悩みを抱える人を対象として、クライアントが自らの不適応や心理的な悩みの原因について、その病理性に気付き、意味を納得し、人格の再統合と自己実現的に生きる構えを作り出すように援助するものである。具体的には精神分析療法・クライアント中心療法などがある。
⑴精神分析療法
 主に自由連想を用いて行われるものである。治療者は、連想された素材の潜在的な意味について、治療者が理解したことをクライアントに伝え、クライアントの意識的な自覚を広げるための介入を行う。クライアントは、浮かんだ連想を「恥ずかしい」「つまらない」などといって黙り込むことがあるが、それを抵抗と捉えて解釈を与える。このような治療を継続することでクライアントは退行し易くなり、治療者に転移を向けるようになる。治療者は転移の背景に問題が集約されていると捉え解釈をする。こうしてクライアントが自己の内面についての理解を深め、無意識的欲求や感情に気付けるように治療者が導いていくのである。
⑵クライアント中心療法
 治療者がクライアントの感情を反射することで、クライアントに精神分析と似たような洞察を得られるようにするものである。治療者に求められるのは診断的知識よりも、自己一致・無条件の肯定的尊重・共感的理解といった態度条件であり、これらによりクライアントが成長的変容を起こすと考えるのである。

4.訓練法
 訓練法は総括すると行動療法といわれるものである。学習によって不適応行動が成されると考える。不適応行動は、それに対する消去手続きや、学習とは相容れない反応を学習することによって除去しようとするものである。主な方法としては次のものがある。
⑴系統的脱感作法
 神経症的不安反応を示すなどを対象として、生理的に不安が抑制される状態をとってもらい、刺激を段階的に提示していくものである。例えば、高所恐怖症の人がいたとしよう。この人に、建物の5階にいるところをイメージしてもらう。そのとき生じた不安には筋弛緩訓練などによって対抗をする。そして不安のない感情になったら、次は10階にいるところをイメージしてもらい、不安になったら筋弛緩を行う。こうして15階、20階と段階的に不安刺激を提示してゆく一方で、クライアントに不快のないリラックスした精神状態を保たせることにより恐怖反応を消去しようとするのである。
⑵シェイピング
 目標とする特定の行動に接近するように、行動の要素を選択的に強化し、最終的に求めている行動の形成を達成するオペラント条件づけの方法のことをいう。障害児に言語の使用を教えるときなどに用いられる。
⑶バイオフィードバック療法
 自律神経系の反応について、血圧や心拍・脳波など生体の特定の部位から送られてくる情報を手掛かりとして、訓練を通じてその部位の活動を随意的に制御しようとするものである。例えば、脳波にアルファ波が出現したことを本人に伝えると、アルファ波の出現頻度が次第に高まるように、自律神経系に支配された生理的反応に関する情報を本人にフィードバックして、生理的反応を変化させる。
⑷認知行動療法
 クライアントの持っている考えや信念を問題とし、その不合理な思考を変化させていくものである。例えば、試験の成績が悪く「自分は何をやっても駄目だ」と考えるクライアントに対して「今回は、たまたま意地の悪い問題が出たからテストの成績が悪かったのだ」というようにクライアントの思考を変えていくのである。

5.まとめ
 以上のように心理療法には、様々な技法が存在している。そしてこれらの技法は、それぞれ有効であることが経験則として分かっている(例:恐怖神経症には系統的脱感作法が有効、うつ病には認知行動療法が有効など)。
 しかし特定の療法が、なぜ特定の症状に有効なのかということについての科学的な説明(例:不適応状態から治療に至るまでの因果関係を1+1=2であるというように明確に言い切ることができるような説明)をすることは現段階においては難しいといえる。
 それはおそらく、心理療法の領域が、人間(クライアント)という存在を対象とすることに理由がある。クライアントは矛盾に満ちている上に、心理療法を実施するのもまた人間(治療者)である。そうした矛盾を排除することなく、その心理を取り扱うことの要請が、心理療法にはある。

    【参考文献】

  • 大塚義孝 編「心の病理学」至文堂 1998年
  • 下山晴彦・丹野義彦 編「講座 臨床心理学 臨床心理学研究」東京大学出版 2001年
  • 滝沢武久・加藤敏「ラルース臨床心理学事典」光文堂 1999年
  • 中島恒雄「保育児童福祉要説」中央法規 2004年
  • 牧正興・高尾兼利・平山諭「臨床心理学の理論と実践」ミネルヴァ書房 2002年

社会福祉士からのコメント


2000字程度のレポートだと、心理療法の主要な技法をすべて解説するには字数が足りません。もっとコンパクトに文章をまとめる必要があります。


レポート課題作成における留意事項が書かれたマニュアルをよく参照しながら設題に答えるようにしてみてください。


この時、心理療法の技法をどれか一つを取り上げて、それをメインに解説することが許されるのか、もしくは、一通りの技法を軽く解説した方がいいのかといったことに注意してみてください。


当レポートでは、400字原稿用紙8枚程度でまとめるという条件がありましたので、3000字程度の文章量となっています。
割と多めの文章量ですので、基礎的な心理療法を平均して解説する形にしてあります。


実際にレポートを書く際は、所属する大学のレポートルールに従って、文章をさらにまとめたり、リライトしてみてください。


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