奨学金破産について思うこと
奨学金が返せなくて自己破産が多発しています。
- 奨学金を借りても、なお生活はカツカツで、一日数百円で生活している
- アルバイトをいくつも掛け持ちしている
- バイトに時間とエネルギーがとられ、満足に単位が取得できない
- 結局、大学卒業までにたどり着けず、中退する
- 結果、非正規の仕事にしか就けない
- でも、奨学金の返済は容赦なく追いかけてくる
- 結果自己破産
これが、今回の問題の概要です。
私が気になったのは、奨学金で生活費の一部を賄って、それから大学での勉強をしようとする順番です。
親の補助があてにできないのならば、苦学生は、まず生活費の確保を先に済ませておくことが必要です。
4年間の生活費と学費を確保できれば、勉強に専念できます。
もちろん、一般的な通学課程の大学の学費は、私立だと数百万必要ですから、そう簡単に用意できないと思うのは分かります。
その場合は、通信制の大学を検討してはどうでしょうか。
この提案に抵抗を示す人は、きっと通信制の大学を大学と思っていないのと、就職に不利という考えがあるからだと思います。
その場合は、最初は通信で入学して、途中から通学過程に編入するという道もあります。
でも、今の社会情勢を考えると、大学を出たからと言って、良い就職先が見つかるなんて保障はどこにもありまぜん。
なのに、奨学金を上限いっぱいまで借りて、1000万近くの借金を抱えて社会に出ている人がいるというのは驚きです。
私は、通信制の大学で社会福祉士を取得しましたが、学費と生活費を含めてかかった経費は、大体400万くらいでした。
この間、介護のバイトはしていましたが、その時間は、週1日から3日くらいのものでした。
短時間でしたし、バイトで得た知識をレポートにネタとして使うことが目的の一つでした。
残りの時間は、すべて学業にあてて、確実に単位を取得することを優先しました。
大学での勉強や、資格取得の勉強というのは、ある程度勢いが求められると感じていたからです。
もし、あの時、アルバイトで疲弊していたら、やはり単位取得に悪影響が出たでしょう。
この辺のところは、社会経験の少ない若い人には、分かりにくいものかもしれません。
高校を出たら、まずは大学に行くというのが、他の人と同じ行動だからです。
でも、もし親に学費を出してもらうことができないのであれば、人と同じことを捨てる必要があることを感じて欲しいのです。
要するに、借金をして、バイトをしながら大学に入ることはやめた方がいいということです。
まずは、働いて学費と生活費をある程度用意してから大学入学を検討すべきです。
それでは、年を取ってしまって就職できない
という意見は分かります。
新卒でないと就職できないという考え方ですよね。
でも、自分が目指す大学は、安定した就職を保障してくれるのか、今一度胸に手を当てて考えてみることです。
誰も保障なんてできないはずです。
大学さえ出れば、安定した仕事に就ける
これは、幻想だと思いませんか?
大学は、あくまで学問を修得するところであって、就職予備校ではありません。
勉強なんて無意味だと言いたいのではありません。
私自身、大学に憧れて、通信制大学に入学しました。
でも、大学名とか、ブランドで就職させてもらえるなんて期待は、最初からありませんでした。
勉強は、面白いからしていましたし、勉強の邪魔をする要素があれば、徹底的に排除する構えでした。
ただし、専門的知識を得れば、それがお金になるという思いこみはありました。
社会福祉士を取得すれば、専門家として認められて仕事ができる
そんな思い込みです。
その意味では、私も結構甘い考えで大学に行ったということになりますが、それでも借金を作って破産するようなことには、未だになっていません。
それは、学費と生活費を最初に考えてから決めた選択肢だったからです。
その結果、人がうらやむような条件で勤務している訳ではありませんが、ありがたいことに悪い借金をしていることもありません。
大学卒業時には、かなり貯金は減りましたが、その後盛り返して現在に至っています。
決して、高給取りではありませんが、これは負債がなかったからこそだと思います。
要するに何がいいたいかというと、多大な借金を抱えて大学に行くのはお勧めできないということです。
親に学費を出してもらって、3食昼寝付きで大学生活を送りたいなんて思っても、それがかなわない人にとっては無意味です。
特に、今回のニュースで気になるのは、児童養護施設出身者の大学中退率の高さです。
なんと3人に1人が中退しているというのです。(ブリッジフォースマイルの調査より)
私は、こういう境遇の人たち、またはそれに近い境遇の人たちに言いたい。
自分で学費を稼いでから大学に行くなり、費用の掛からない資格を取るなり、スモールビジネスを起こすなりをしたほうがはるかに現実的です。
もしくは、働きながら学費を稼ぎ、他方で放送大学などの科目履修制度を活用して単位を取得し、学費ができたら仕事を辞めて、一気に卒業を目指す。
そんな方法だってあるんです。
私自身そうしてきたからこそ述べる意見です。
大学に行く前に、仕事をしようとするならば、セールスを学べる仕事を探すことをお勧めします。
今の私だったらそうします。(当時の私は介護の仕事をしていましたので)
これからは、物を売れる能力が最も必要とされるスキルだからです。
その売り物の中には、あなた自身も含まれています。
あなたというすばらしい商品をいかに売り込んでいくか
それを考えることが大切です。
その時、あなたに奨学金という名目とはいえ、借金があったら、あなたは売れっこになれるでしょうか?
私は、難しいと思います。
社会に出たばかりで、数百万の借金は、額が大きすぎます。
大卒の学歴を得るためにお金を投じることは、投資かもしれませんが、それはあくまで学歴に関わる投資です。
社会は、採用担当者は、大卒だからというだけでひれ伏す訳がありません。
だから、通学課程の大卒に資産性があるか否かといえば、ないというしかありません。
資産性がないとされているものに対して借金をするのは、投資としてはマイナスです。
現在、給付型の奨学金の普及を検討しているそうです。借金に比べて、これは素晴らしい制度です。
ただし、あくまで大学が学位を授与する機関であることに変わりはないことに注意すべきです。
奨学金は、未来への投資だ
この言葉を鵜呑みにしないことが必要です。
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