介護職は月給1万円アップに喜べるのか?
介護報酬改定、1.14%引き上げへ 厚労省、4月から
介護職員の賃金を平均で月1万円程度上げることを実現させるため、厚生労働省は4月に介護報酬を1・14%引き上げる方針を固めた。人材不足が続く介護職員の処遇改善は安倍政権が掲げる「1億総活躍プラン」の目玉の一つ。引き上げは昇進制度の整備が条件で、全国の事業所の7割程度が対象になる見通しだ。
(朝日新聞デジタルより引用)
介護職の平均月給が、全産業の月給より10万円程低いことをご存じですか?
つまり、このニュースは、金額を一桁間違えているのではないかと思います。
まずは、介護職の月給を10万円上げてから人材不足を論じて欲しいです。
つまり、全産業の平均給料と同レベルに立って、そこから介護職の賃金を上げるべきか否かを検討して欲しいのです。
時の政権が、気まぐれ的に介護保険を改正して、一時的な財源で月給を1万上げられても、先々どうなるかは不透明です。
「給料が上がらないよりはいいけど」
で終わりです。
これが、処遇改善の限界かも知れません。
処遇改善ではなくて、基本給の底上げを行ってほしいです。
このままでは、ほんとに介護職はピンチです。
今年1月の
介護福祉士国家試験の受験者半減問題
これも、いわば当然の事象です。
研修は、増やせばいいってもんじゃないと思います。
今、介護業界の人材不足は、本当に深刻です。
語弊を怖れずに言えば、
どんな人であっても、パート・バイトの場合、面接に来た人は99%採用
ろくに仕事の説明もせず、雇ってみて、使えないなら、冷遇して自主退職に追い込む
こういう感覚の事業者すら、一部存在します。
雇う前から説明し過ぎると、引いてしまって辞退されるのを避けるためです。
と言っても、そんな事業者には応募者がそれほど来るわけじゃない。
募集しても、まったくノーリアクションのこともある。
でも、こうした万年人手不足は、介護業界のメリットでもあります。
もし、介護の仕事が好待遇だったら、応募者が殺到し、過当競争になってしまいます。
ごく普通の人は面接に行っても落とされる
リストラの心配も出てくる
でも、月給1万上げたところで、そんな心配はありません。
やっぱり、介護職は人材不足です。
だからリストラの心配は、この先もありません。
そもそも最低ラインの待遇だから、人間関係などで辞めざるを得なくなっても、他事業所に行けば済むことです。
情けないが、このメリットをもっと活用すべきです。
介護職にもいろいろな働き方がある。
よくないのは、長時労働、夜勤、重責、権限なしの類の主任や管理職です。
経済的に報われない形で、上記の働き方をしているのは最悪です。
これは、もっとも貴重な財産である自分の時間を差し出してしまっているので大きなリスクとなります。
ただし、長時間労働をしているとしても、次のステップに繋がることをしているならまだいいのです、
「管理職を通してマネジメントを学んだ」
これはプラスでしょう。
この場合、介護という仕事を通して成長し、そこから次のステージに上がることが肝要です。
間違っても、万年、介護職はお勧めできません。
一定期間、投資資金や事業資金を造るためと割り切るなら問題ありません。
介護の仕事をがんばりつつ、介護以外の仕事を目指すのが正解です。
介護職は月給1万円アップしたら、それを次の仕事への投資に使うべきでしょう。
単なる消費に回して喜んでいたり、浪費に消えてしまうだけというのはお勧めできません。
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