保育士試験一部免除は朗報か?
社会福祉士など、福祉系の有資格者に、保育士試験の科目の一部を免除することが検討されているそうです。
これって、何か意味があるのか不明です。
正直、
もっと他にやることがあるのでは?
って思います。
社会福祉士の資格取得者が、保育士に転職するのであれば、科目免除される分、効率的という意味では、朗報かもしれません。
でもそのような人はあまりいません。
よく、保育士の給料って安いといわれるけれど、あえてそういう業種に転職することはあるのでしょうか?
ここでは、福祉士が保育士に転職するかということであって、もともと保育を目指している人とは話が違います。
公務員保育士については別格です。
自治体によっては、採用試験は、数倍から10倍を超える難関になっています。
公務員としての地位が保障されているからです。
当然ですよね。
もちろん公務員試験に合格し、面接試験もパスしなくてはならないし、年齢制限もある。
だから、本気で公務員を目指し、保育士をとるために福祉士の資格が役立つなら、それは朗報でしょう。
でも、保育士試験の免除特例がとられる背景には、保育士従事者の深刻な人材不足があることを知っておく必要があります。
できるだけ多くの人に保育士資格をとってもらって、待機児童問題の解消に役立てようというのが狙いです。
でも、有資格者を増やしただけでは、残念ながら人材不足は解消されません。
やっぱり民間の保育士は、給料が安いからです。
非正規であれば、民間、公立に関係なく安くなります。
人が集まらないのになぜ、政府はこんな単純なことが分からないのでしょうか?
的外れな、人材不足対策は他にもあります。
今朝、ニュースを見ていたら、東京の大田区区は、高齢者を「保育補助員」として養成し、保育士の業務負担軽減を図る事業を検討していると発表していました。
これって、以前、介護の分野でも聞いたことのあるアイデアではないですか?
要は、元気な高齢者に対して、人手不足を補ってもらおうという発想です。
正直、保育の現場を知らないから、このようなことが言えるのではないでしょうか。
豊富な人生経験を活かして、保育にあたることができるということですが、保護者の苦情対応ができる訳ではありません。
後は、あまり知られていないこととして、身体の負担もあります。
身体介護的な動作も保育にはありますので、人によっては無理がかかります。
人の手はないより、あった方がいい
そのような考えもありますが、まずは潜在保育士に復職してもらう方法を考えるほうが先ではないでしょうか?
でないと、福祉士を保育士になりやすくしたところで効果は望めません。
まあ、それはともかく、当の福祉士としては、
保育の資格試験を突破して得られるメリットとデメリットを考慮して、メリットが上回るなら資格取得もいいでしょう。
例えば、社会福祉士が保育士の資格を取得して、保育士の資格試験予備校の講師になる。
こんな資格の使い方もあるからです。
逆に、よくない資格の使い方としては、一介の保育士として低賃金の職場に転職し、「こんなはずではなかった」となって、結局撤退してしまうことです。
そうなっても、資格だけは残るので、全部が全部無駄ではないかもしれないが、時間だけは失っているので、やっぱり、
もっと他にやることがあるでしょってことになります。
結論は、保育士試験で社会福祉士が試験科目を一部免除されても、それは朗報ではない
ということになります。
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