社会福祉士通信制大学のスクーリングを楽しんでほしい
前回は、私が社会福祉系の通信制大学で勉強する上でのマインドセットのお話をしました。 勉強したいというマインドがあれば、もう勉めて強いるという勉強ではなく、ただやりたいことをしているという精神状態になります。 私が、ほぼ独学で通信制大学を卒業し、社会福祉士の資格を一発合格できたのは、このマインドのおかげです。 実をいうと勉強すること自体が目的になってしまっていました。 これは、これで別の問題があるんですけれどね・・・・ 実際、後に就職する段階になって苦労することになるのですが、このときは、まだ知る由もなく楽しい時を過ごしていました。 2002年のことです。 中でも楽しかったことの一つは、スクーリングです 日常的には、部屋にこもって勉強していましたが、スクーリングに行くと一時的とはいえ、キャンパスライフ楽しんでいる気分になれます。 特に、群馬にある本学に行くときは、校舎からして大学そのものでしたので気分はまさに大学生です。
高校を出てから、すぐに大学にいった方には、分かりにくい感覚かもしれませんが、大学に行くことがワクワクと楽しかったのです。
通常、社会福祉士の資格を取得しようとする社会人は、できるだけスクーリングの少ない大学や養成校を選ぼうとします。
授業を負担だと感じてしまうからです。
必然的に、ウェブ上で授業が受けられるような通信制大学に魅力を感じてしまうのですが、実はかならずしもウェブ授業は勉強が楽な訳ではありません。
まず、社会福祉士に必要な科目のすべてをウェブで済ませることはできません。
それに、ウェブ講義であっても一定時間は、パソコンの前にいる時間を作らなくてはならないし、課題をこなさない限りは単位習得はできないことになっています。
その点、スクーリングというのは、アナログではありますが、確実に単位を取得できる形式の授業といえます。
あまり知られていませんが、スクーリングで単位を落とすことは、まじめに受講している限り少ないです。
わざわざ時間をとって2日間授業を受けさせておいて、最後の最後に不合格にするというのはひどい話ですからね。
大学もその辺は承知しています。
もちろん、何をしても合格というわけではありません。
単位を落とす例としては、
- スクーリングを欠席、もしくは途中退席した
- 授業を妨害する行為を繰り返した
- 最後のスクーリング修了試験を白紙提出した
- 授業料が未納
これらに該当する場合は不合格になる可能性が高いです。
でも、上記以外の場合は、ほとんど単位認定されます。
なので社会人のあなたは、通信制の大学や養成校を選択する際に、必要以上にスクーリングを心配する必要はないというのが私の意見です。
気を付けるべきことがあるとすれば、体調管理です。
スクーリング当日に体調を崩してしまうと、結構困ります。
今述べたように、欠席の場合は、単位認定されません。
せっかく仕事の休みを確保して、授業料も支払ったのに単位がとれないのはテンションが下がります。
ちなみに、欠席したからといってスクーリング費用は返金されないのが普通です。
大学側の都合ですが、手続きが煩雑になるからです。
地味ですが、体調管理はスクーリングで単位をとるための一番のコツになります。
食あたりを起こすようなものは口にしないとか、虫歯があったら治療しておくとか、風邪をひかないようにするとか
ちょっとした心がけでいいと思うんです。
私は、5年間の通信制大学生活の中で、1回だけ体調不良をおこしたことがあります。
群馬の本学の授業で、レクリエーションを学ぶ科目のスクーリングに出席しているときでした。
朝から微熱と吐き気があって、授業は難しいかなと思いましたが、フラフラしながらも、結局は無理して授業を受けてしまいました。
翌日には、回復し、単位も何とか取れましたが、この一件には随分と反省しました。
これ以来、より体調には気を付けるようになりました。
つまり、体調管理さえしっかりしていれば、スクーリングを怖れる必要はありません。
では、次にスクーリングのメリットについて少しお話ししましょう。
それは、
同じ目的意識を持った仲間に会える
ということです。
通信制大学が想像以上に社会人が多いことに驚くことでしょう。
通信の養成施設に社会人が多いというのは、想像がつきますよね。
学生の社会福祉士資格取得という目的がはっきりしているからです。
それに養成施設の入学資格が、相談援助の実務経験であったり、大卒の学歴であったりするからなおさらです。
でも、大学の場合は、必ずしも福祉現場を目指す人ばかりではないです。
当時、私が在籍していた通信制大学では、社会福祉学部しか存在していませんでしたが、専攻については心理学系と社会福祉系がありましたし、教員免許取得を目指している学生もいました。
認定心理士の取得のための科目履修正もいましたし、生涯学習で大学入学している方もいました。
年齢層にして、10代から60代までの社会人が在籍していたのです。
はじめてのスクーリングにいったとき、
こんなにも多くの社会人が、忙しい時間の合間を縫って勉強をしているのか
そんなふうに思ったものです。
いろいろな社会人が在籍しているということは、いろいろな場面に出くわします。
私がスクーリングで目撃したことで印象的だったのは、子連れで来ている女性の学生がいたことです。
授業の合間、休憩時間に、5~6歳の子供が教室をうろうろしているので、何かと思いきや、たぶん小学校が休みかなんかだっのでしょう。大学生である母親と子供が何やら話しています。
その子は、授業が始まると、母親に言われ、しぶしぶ教室の外で、学生である母親の授業が終わるのをひたすら待っていました。
私は、その光景を見て「いろんな事情を抱えて勉強しているのだな」とニヤリとした経験があります。
通信制大学の学生は、まさに人種のるつぼです。
そのようなインパクトを感じられるだけでも、スクーリングを受ける価値はあると思います。
なぜなら断然やる気が出てくるからです。
自分以外の学生は、ライバルではありません。
同じ目的を持った仲間です。
スクーリングをただ受け身で時間が過ぎるのを持つだけの時間にしてしまうのは、非常にもったいないです
せっかく授業料を払っているのですから最大限活用した方がお得です。
ちなみに、今どきの大学は、通信制といえども、授業料は2002年当時と比べて高騰しています。
私が大学生だったころのスクーリングの授業料は、2単位の科目の場合、2日間で四千円でした。(年間の授業料を除く)
今考えるとこれは安いです。
今は、この倍くらいの値段のところが多いようです。
もちろん、年間に支払う授業料との兼ね合いや、教育システムの差もあるので、一概に高いとか安いとかは決めつけられません。
ウェブ環境でレポート提出できたり、試験を受けたりできる環境を整えるには、それなりにコストがかかっているので、むしろこうした最先端の通信制大学の学費については、まだまだ安いといえる状況ともいえるからです。
ま、いずれにしても
大学が提供してくれた学習環境をとことん使いこなすことが肝だといえるでしょう。
あなたの行こうとしている大学・養成施設が、ウェブ上での授業をする大学であっても、リアルのスクーリングメインの学校であってもです。
どのみちスクーリングは受けることになるのです。
一般養成施設であっても同様です。
なので、スクーリングという貴重な機会を最大限生かすことをお勧めしたいのです。
当時の私は、過剰にやる気がみなぎった学生でした。
前にお話ししましたが、私はブラック会社を退職して、背水の陣で勉強していたので真剣でした。
仕事を辞めてまで、社会福祉士は取る価値があるのか?
こんな心ない言葉を言われたこともありますが、そんなことは、当時の私にはどうでもいいことでした。
さて、
今日は、スクーリングのことについてお話ししました。
この話を聞いて
スクーリングは嫌だな
と思ったかもしれません。
その場合は、武蔵野大学や日本福祉大学のような、ウエブシステムが充実した大学を視野に入れてみるといいと思います。
すべての科目をウェブて済ますことはできないまでも、少ないスクーリングで卒業を目指せます。
受けざるを得ないスクーリングについては、しょうがないといわず、いい機会ととらえて勉強してみて欲しいです。
スクーリングって国家試験対策にもなりますよ。
特に大学に編入した人は、あっという間に国家試験がやってきます。
すでに国家試験対策は始まっているくらいに思ってもちょうどいいくらいです。
試験の一発合格法ついては、今後記事を書いていく予定ですが、私の経験から確信をもって言えることは
国家試験で一番合格しやすいのは、初回の受験時です。
よく、受験資格をとってから、試験対策をどうしようか?って悩む人がいますが、もったいないなと思います。
私自身、社会福祉士の国家試験対策は3か月間のワークブック(中央法規)のみでした。
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それ以外は、レポート学習やスクーリング、科目修了試験によって試験勉強をしていたようなものです。
なので、どうせ受けなければならないスクーリングなら有効活用してほしいと思うんです。
そして
スクーリングを楽しんでほしい
楽しむことができれば、勉強は効果が上がります。
趣味でやっていることは自然と知識が身に付きますよね。
それと似たようなものです。
【追記】
スクーリングなんか楽しめる訳がない
そのように強く思う人は、義務で社会福祉士の資格を取ろうとしている可能性があります。
資格さえ取ればいいという考え方です。
これはこれで合理的ですし、ありうる考え方だと思うのですが、私がいまになって感じるのは、
どういう経験をして社会福祉士になったかが、その後の自己表現に影響する
ということです。
資格取得後、雇用されるのか、独立するのか、事業を立ち上げるのかは、人それぞれですが、名称独占である社会福祉士を活かそうと思ったら、単に福祉の専門知識があるというだけでなく、自分を表現することもセットで他人から見られると思うんですよ。
私の場合は、通信制の大学で、スクーリングを受けまくって資格を取得したというのが、一つの肥やしになっています。
なので、スクーリングを受けることも後から考えれば、無駄ではないと感じます。
後から振り返ると「あっという間だったな」と思えるのがスクーリングです
楽しむという発想を取り入れると、大変そうに感じるスクーリングも乗り越えていくことができるでしょう。
参考にしてみてください。