包括の熱中症予防活動はつらいよ

地域包括支援センターでは、地域で高齢者を見守り、熱中症を予防しようする取り組みが行われています

これは、包括の担当地区を職員が個別訪問し、熱中症に気を付けるように呼びかける活動です。

包括による相談支援業務の一環です。

主にひとり暮らし高齢者のお宅を訪問して、話をきいたり、生活状況を聞き取ったりします。一日に訪問できる件数はせいぜい10件未満です。

他の業務を抱えながらの訪問ですし、留守で空振りということもあり、包括の職員の結構な負担になっています。

一つ言えることは
こうした活動に効率的な意味を求めないほうがいいということです。

なぜなら「福祉」だからです。

福祉に経済的な効率性を求めると行き詰まります。

訪問する包括の職員は給料をもらってやっていることであり、多額の税金を使っている活動ですが、福祉なのでこれでよいのです。

熱中症の予防を知らしめるのであれば、他にも手段はありますが、わざわざ人が訪問することに意味があります。

ちなみに、委託包括の職員は訪問した結果を記録としてまとめ、区(市)に報告を求められます。

相談の記録は結構大変な業務で、職員は多くの労力をかけています。
福祉の仕事の記録は、何か経済的価値を生み出す性質のものではありません。

一人暮らしの高齢者の生活実態を把握し、訪問をきっかけにして、お困りごとの相談を発見できるという意味はありますが、基本的に税金を使った仕事であることに変わりありません。

良いか悪いかではなく、そういう仕組みになっているということです。

ちなみに包括の職員が高齢者宅に訪問すると、何か売りつけられると思われて手厳しい対応をされることがあります。

本当の詐欺師は、話がうまいので悪い人だとは思われないのですが、真面目にに訪問している包括の職員は、怪しまれて冷たい対応をされます。

最近は、高齢者のほうも「詐欺」に免疫ができて、アポのない訪問には対応しないことが増えています。

そこにきて、アポなしの熱中症予防活動ですから、高齢者からしたら混乱しますね。

一方、訪問している職員は、業務命令で、仕事として行っているだけで、本音を言えば
「意味ねー」
と思っていたりします。

もちろん、この活動によって熱中症にならずに命が救われたケースもあるので、意味はあるのですが、あくまで福祉の活動ということで、何の疑問もなく、今日も熱中症予防の訪問活動が行われています。

今年の夏は特に暑いので、熱中症予防訪問をしている包括の職員の方が熱中症になりかねないという事態になっています。

「そんなにがんばんなくてもよくね」
って思うのは私だけでしょうか?

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