コミュニケーションの基本は答えやすい問いを投げかけること

  • 「何をやっているんだ」
  • 「一体何回言えばわかるんだ」
  • 「お前は何をやってもだめだ。前の時もそうだった。」

こうしたものの言いようは、返事に困ります。
答えようと思えば答えられますが、相当おかしなやりとりになりますよ。

たとえば、
「何をやっているんだ」
という問いに対しては

「仕事をしているんですよ。みりゃわかるでしょ」
と答えたり、

「一体何回言えばわかるんだ」
の問いに対しては

3回です。あと2回いってください。
と答えるってかなりおかしいですよね。

あるいは
「お前は何をやってもだめだ」
という怒鳴り声に対して
「そうですね」と同意する。

あるいは、
「そんなことはないですよ。」と否定する。

黙り込む。

すみません。すみませんと繰り返す。

どの選択肢をとってもおかしなやりとりになってしまいます。

とても不自然というか、会話になりませんよね。

コミュニケーションの基本は相手が返しやすいリアクションをすることが基本とります。

「私はこんな乱暴な言葉遣いはしない」
と思う方はいると思います。

確かにそうでしょう。
でも、丁寧な言葉を使ったとしても意味は同じです。

言葉というのは、
「言葉遣いが丁寧か乱暴かよりも、前後の文脈だったり、どういう関係性の誰が述べた言葉か」
が重要となってきます。

また、相手をほめちぎればでそれでいいということでもないです。
うわべだけの誉め言葉が不信感を買うこともあるからです。

聞き上手の人は必ず相手が答えやすい言葉を投げかけています。
相手に逃げ場がなくなるような問い詰め方は決してしません。

介護の現場でもそうです。
例えば、認知症の老人に失敗を責めるようなことをいうでしょうか?

まず言わないですよ。

言っているとしたらかなり問題です。

通常、介護職は、認知症利用者を否定することが何にもならないことを知識として知っていますし、現場感覚のある人だったら自然に身につけていることです。

それから、コミュニケーション力についての誤解としてあるのがこれです。

「口数の多い人がコミュニケーション力のある人」

よく勘違いされますが、これは違います。

私語ばかりの介護職は仕事ができていない。

相手を観察すらしていない。

コミュニケーションの基本は相手が答えやすいような問いかけることです。
時には黙って見つめるだけのこともあります。

試してみてください。
おどろくほど相手の反応が変わってきます。

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