社会福祉士レポートアーカイブ(国際福祉総合講座-設題1)

過去レポート保存庫

当科目は、科目名称の通り、海外の福祉を学ぶ科目です。社会福祉士の指定科目ではありませんが、諸外国の福祉を学ぶことは、自国の福祉を知る上で役に立つことがあります。


本来は、実際に海外に出向いて行って体験型の学習をすることが理想でしょうが、大学での履修学習程度であっても学ぶことはあります。


当科目は、通信制大学でいうところの「R履修」のカテゴリーです。
Rとは、レポートのRで、要は、スクーリングや実習のない、レポートのみの履修科目であるということになります。


通信制大学は、テキストを読んだだけでレポートをまとめますので、独りよがりの学習になりがちです。


ですが、教科書をよく読んでまとめるという真面目さがあれば、きっと乗り切れますので、ぜひ以下の具体例を参考にしてください。

学習のポイント(学習ガイドより)

今日においてスウェーデンをはじめとする北西ヨーロッパ及びスカンジナビア諸国は福祉国家と評されているが、これらの国々の社会保障は、必ずしも、全てが理想通り成功している訳ではない。ここではスウェーデンの社会保障について、その福祉国家としての起源や発展のプロセスを踏まえた上でその長所、短所、今後の方向性について検討すること。

科目概要(学習ガイドより)

先進国及び発展途上国の社会保障・社会福祉の発展と現状の理解を深め、広い視野を養う。また、欧米やアジア諸国の社会福祉を概観し、その制度・政策について日本と比較する。

設題1

「スウェーデンの社会保障についてその歴史的展開、現状及びその課題についてまとめなさい。」

 世界有数の福祉国家として名高いスウェーデンの社会保障は、これまでどのように発展し、どこへ向かっていくのだろうか。本設題では、まずスウェーデンの社会保障について、歴史的展開を踏まえ、その現状と課題についてまとめていく。

1.社会保障の歴史的展開
①福祉国家としての起源
 かつてスウェーデンは純然たる農業国であったが、19世紀後半の産業革命の影響によって、長時間労働、低賃金、児童労働、労働災害といった社会問題が深刻化するようになった。もともと人口規模の小さかったスウェーデンは、相次ぐ恐慌や凶作に見舞われ、この難を逃れるために、100万もの人々がアメリカなどに移民するという、人口の流出問題まで生じた。これは、スウェーデン人口の高齢化を 他国より早く進展させる一因となった。
 こうした状況の中で増加した、浮浪者・無職の者に対しては、厳しい取り締まりが行われた。例えば、浮浪者取締法によって、無職の者を強制労働に処したりした。また、労働者階級に対しては、労働条件に不満があっても団結禁止法によってストライキを防止したりした。
 ところが、労働者を押さえつけようとする圧力は、労働運動、社会主義運動の台頭、自由主義陣営の政策的対応などを促す結果となる。
1889年には社会民主労働党、続いてスウェーデン労働組合連合(LO)の結成に至り、以後スウェーデンの福祉国家としての発展のプロセスは、労働運動を中心とした、一連の社会保障制度充実の要求へと展開していくのである。
②福祉国家としての発展のプロセス
 自由主義改革派のヘディンによる年金要求運動を契機として、1913年に世界初の国民年金保険が誕生すると、社会保障に対する国民の要求は高まり、以後、1938年には労使代表の労働争議についての協定が締結され、給与の引き上げや生活保障などについて、中央レベルで労使が協議して決定を行うというコーポラティズムの社会が形成されるようになる。
 こうしてスウェーデンでは、1930年代の失業保険、1940年代の児童手当、国民年金給付額の引き上げ、1955年の国民医療保険、1960年の国民付加年金、1974年の親保険・育児休暇など、社会保障の制度が次々と創設されていくのである。
 1970年以降にもなると、それまで家族単位に行われいていた課税が個人単位になったことで、共働きによる税負担増はなくなり、女性の就業を促進させた。同時に、女性が子供を育てながらでも働くことができるようにと、保育園の増設などの環境整備が進んだ。また、保母やヘルパーといった福祉に従事する公務員の数が急増したのもこの時期である。
 その後、1992年にはエーデル改革による地方分権化の推進、1999年には社会保障費の増大を受けて年金改革が行われ、スウェーデンの社会保障は現在に至っている。

2.社会保障の現状
 現在におけるスウェーデンの社会保障制度を大別すると、所得保障、医療保障、社会サービスに分類することができる。
①所得保障
 所得保障は、経済面から国民の生活を支える制度であり、主に国が実施する。公的年金、児童手当などがある。
 年金の財源である保険料は、年収の18.5%となっており、そのうち、本人と使用者で負担する16%の部分は、現在の年金受給者に使用され、本人負担である、残り2.5%の部分は、自らの老後のために積み立てる仕組みになっている。ただし積み立て分は、株・債権などに投資することもできる。年金支給年齢は、61~70歳の間で選択が可能となっている。
 児童手当は、16歳未満の児童がいる家庭に対して手当を支給するものである。3人目から多子加算制度が適用される。負担は国の税である。
②医療保障
 医療保障には、使用者が保険料負担するという特徴がある。被用者の保険料負担はない。医療保険は国が運営し、医療の供給は県が担う。病院で治療を受けた時は、一定額の自己負担があるものの、その額は県により異なるが、少額である。治療費には限度額があり、限度を超える場合は保険、税によって賄われる。医療機関のほとんどは公立で、職員の多くは公務員である。また、医療保険には傷病手当や両親手当といった制度もある。
③社会サービス
 社会サービスは、コミューン(市町村)が実施する。コミューン税を財源として、高齢者、児童、障害者に対するホームヘルプサービス、補装具の無料貸し出し、保育所の提供など、様々なサービスメニューが用意されている。

3.社会保障の長所・短所について
 上記のように、スウェーデンにおける社会保障の長所は、世界でも有数の高福祉が提供されている点に集約される。それは、諸施策の基底に流れる徹底した普遍主義・平等主義に基づいており、被用者の医療保険料負担の免除や、大学などの授業料無料化などに現れているといえよう。
 しかし一方では、それが使用者・自営業者の経済的負担を重くし、経営の意欲をそぐ要因となっていることや、高福祉を維持するために税率が高くなりがちで、国民の所得が低い傾向にあること、完全雇用を目指していることもあって、公的機関が肥大化し、民間企業による経済の効率化が阻害されるといった短所を生み出している。

4.社会保障の課題
 スウェーデンの経済情勢は、紆余曲折がありながらも、今のところ良好である。特にIT分野においてはめざましい発展がみられる。しかしながら、今後の社会情勢の変化によっては、次のような問題を提起することができる。
 例えば、高齢化が進行するにつれて、社会保障費が増大している問題である。従来は、女性の就業者数の増加による保険料支払いの増加によって、追加資金が供給されていた面が強かった。しかし、今後も高齢化が進行し、特に後期高齢者が増加し、年金受給者が増え続けるならば、財政事情の悪化は避けられない。この問題に対しては、税金や社会保険料の引き上げ、年金支給額の削減といった制度改革、もしくは、さらなる経済成長の進展といった経済的要素が必要である。
 また、公的機関が肥大化することで、非効率的な医療が提供されている実態も問題として指摘されている。これを受けて、医療機関の民営化問題が議論され始めてはいるが、労働組合員の中には、公的機関に従事する公務員が多いこともあって、労働組合の主張は、公共サービス中心体制への主張に傾きがちで、改革は思う程には進んでいない。これらの問題の解決が社会保障の課題であるといえる。

5.社会保障の今後の方向性について
 今後、スウェーデンは今以上の保険料・税負担の増加をしてまで、高福祉を維持するのだろうか。また、医療の民営化によって競争原理を取り入れるのだとすれば、労働組合を中心とする諸国民の合意がどこまで得られるのだろうか。これらはいずれも未知数である。
 可能性として考えられるのは、政権交代を繰り返しながらも、社会保障を中心とした福祉国家をめざす従来通りの方向性である。しかし、1995年にEU(欧州連合)に加盟したことを勘案すれば、効率的な経済発展と福祉国家としての路線を両立する必要に迫られるとの見方をすることもできる。今後のスウェーデンにおける社会保障の展開が注目されるところである。

【参考文献】

  • 足立正樹編著『新版 各国の社会保障』法律文化社 2002年
  • 厚生労働省編『海外情勢白書』日本労働研究機構 2002年
  • 柴田嘉彦『世界の社会保障』新日本出版社 2003年
  • 松村祥子編著『世界の社会福祉』放送大学教育振興会 2003年



■■これは、ちょっとひどいと思った評価の付け方■■

私が、繰り返し、当ブログで書いていることの一つに、


社会福祉士のレポートの評価は、主観的になされる


という持論があります。

これは、当レポートの原本の画像ですが、添削文を読むと、文末の表記を理由に、評価が一段階減点になっているのが分かります。

添削文

berrygoodの文字があるにもかかわらず、「される」の表記を理由に減点としてしまう

国際評価

これは、ちょっとひどい評価の仕方です。


でも、これが現実です。


文句をいってもしょうがないので、学生の側が対策を練るしかありません。


本来、客観的に評価されるべき大学のレポートですが、何せ人間のすることですので、そこは思うようにはいきません。


これが、マークシート方式の学習課題であれば、まだ点数の正誤がはっきりとします。

しかし、アナログなレポートというのは、書いてある文章から事実を見つけて解釈するという、フィルターを通過する過程があるので、どうしも教員の主観が入り込みます。

そもそも、レポートでは、何をテーマとして取り上げ、どこに論点をフォーカスするかについても曖昧なことが多いものです。


学生としては、学習ガイドに書いてあることを頼りに書くしか手立てがないので、基準の曖昧な厳しい評価をされると、通信生は特に困ります。


レポートを書く前の段階から、評価基準について質問票を送ってみたり、メールをしたりということも可能ですが、これを過剰にすることは効率的ではありません。


いろいろ事前に質問をしたとしても、具体的な解答が返ってくる訳でもありません。


書いたものに対して添削するというのが、レポート添削の順番なので、まだ書いてもいないものに対して、評価基準をどうのこうのと言える訳ではありません。

私自身、大学時代に質問をしたことは、一度もありません。


当時は、通信制大学のネット環境は整備されておらず、郵送による質問票の送付が中心でした。


第四種郵便という安い郵便制度が適用されるため、質問の郵送料は、1質問15円位のコストで済むのですが、その問題はスピードです。


1つ質問しても、返事がくるのに、往復の郵送で1週間くらいはかかるのです。


そんなことしているうちにレポートの提出期限が過ぎてしまいます。


それでは、非常にレスポンスが悪いので、自分で調べたらわかるようなことは、自分で調べた方が早いのです。


例えば、レポートを書く上でのルールであったり、一般論としての解答の仕方を質問することがこれに該当します。

  • レポートは2000文字以内で書く
  • 「である」調で書く
  • 引用する場合は、引用先を明記する

上記のような決まり事は、大学側が提示している履修ガイドのようなものに書いてあるはずです。

通学課程の学生が担当教員(が決まっているとして)に質問するなら話は分かりますが、通信の場合は担当教員は決まっていないことがほとんどです。


もちろん、goodクエスチョンと言わるような質問をして、それが起爆剤となって良質のレポートが書けるということもあるでしょうが、そういう質問文は、大概において複雑な長文になりがちです。


質問文作成に時間をとられるのが問題です。


それなら、教科書を繰り返し読むことに時間を使った方が早くレポートを仕上げられますし、次のセクションに進めます。


例え、不完全であってもです。

そもそも、質問の難しいところは、よくわからないことに対して、他人にそれを分かりやすく伝えるところにあります。


説明の仕方が、不十分であったり、下手だったり曖昧であったりすると、思うような回答が得らないということが起きます。

また、質問のしどころを間違えて、


スウェーデンの社会保障の課題は何ですか?


というような、学生が問われていることを、教員に直に質問してしまって、失笑を買うこともあります。


こうした質問をしても、教員としては答えようがありません。


返ってくる答えは、

  • 教科書や学習ガイドをよく読んでください
  • 参考文献も読んで、自身で考えてみましょう

といったアドバイスになるでしょう。


要するに質問はできるだけしない方がいいということになります。


もちろん、最近の大学は、メールやウェブ上のコミュニティサイトが充実していたり、レスポンスの良い質問ができる環境があることは承知しています。


その場合ならば、質問してみることも結構でしょう。


ですが、


質問文作成に時間を取られないように・・・


これだけは、気を付けて参りましょう。



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