社会福祉士は事務職ですか?
この質問における事務職というのは、
机のうえで仕事が完結してしまう仕事
という意味合いが含まれていると思われます。
しかし、ここでは社会福祉士の資格の性質を考慮して、書類だけで完結とまでいわなくとも、利用者と面談をして、記録を書いたり、計画を立てたり、連絡調整をするというところまでを事務仕事と捉えていきます。
要は、肉体を使って行う労働を省いて残った仕事を事務仕事として答えますね。
社会福祉士の仕事とは
いろいろな捉え方がありますが、客観的な指標になるのは、公益財団法人社会福祉振興・試験センターがだしている「社会福祉士国家試験受験の手引き」にある、社会福祉士の実務経験として記載されている職種です。
事務職と社会福祉士の仕事を、上記のようにふまえたうえで、あらためて質問に答えます
「社会福祉士は事務職ですか?」
この質問に対する簡単な答えは、
「事務仕事もあるし、事務以外の仕事もある」
ということになります。
さて、その次にくる質問は、
「では、介護をしなくてはいけないのですか?」
という素朴な疑問です。
介護という言葉の意味を具体的にいうと、排せつ介助と食事介助、移乗介助など、肉体を駆使して行う仕事のことです。
これに対する簡潔な回答は
「職種によりますよ」
という答えになります。
例えば、小規模のデイサービス(老人が日中通う介護施設)の相談員になった場合は、介護職員とともに介護をすることも業務の一環となることが多いです。
生活相談員は、介護計画を立てたり、利用者からの要望や苦情に対応することが仕事ですが、実際の現場で利用者に介助しながら話をきくこともあるし、人手不足の問題で相談員自身が介護員として駆り出されるということもあります。
ちなみに、私は生活支援員(障害者を支援する相談員のような職種)をしていますが、障害者の身体的介助が多くあります。障害者の場合は、自らニーズを言葉で表明できない場合が多く、日常的な関わりからニーズをくみ取る必要性があり、生活相談員と同様、もしくはそれ以上に介助の度合いは高いといえます。
さて、
そうすると、今度は、相談業務だけで済む職種はどこですか?という質問がきます。
これに対する回答は、
「MSW(メディカルソーシャルワーカー)、生活保護のケースワーカーなどは、直接介護がない職種ですよ」
となります。
病院のソーシャルワーカーが、患者のケアをすることはまずないし、ケースワーカーにいたっては、民間の介護会社に被保護者の介護を委託していることが多いです。
その他、ひきこもり支援コーディネーター、ホームレス自立支援センターの指導員など、直接介護の要素の少ない社会福祉士の仕事は多数あります。
ケアマネの資格をとって、ケアマネジメントを仕事にするというのも、とらえようによっては、直接介護のない社会福祉士の仕事だといえるでしょう。
対人援助のない事務的な仕事はないのか?
実務経験として認められている職種は、対人援助業務です。直接的介護はなかったとしても、対象となる利用者は存在します。
もし対人援助なしに、それこそ書類だけの事務仕事を望んでいるのであれば、事務的な社会福祉士をさがすよりも、事務職の公務員として福祉系の部署に配属されるとか、厚生労働省のようなポストで福祉政策に関わるというのが意に沿う選択肢だといえるでしょう。
もちろん、社会福祉士の資格は関係ないということになりますが・・・・それに厚労省なんて簡単に入れるところじゃないですね。
でも、これはこれで斬新な発想だし、使えるアイデアが含まれています。
資格のしばりをとっぱらう考え方もある
考え方を広げることによって、社会福祉士は事務仕事に活用することができます。
これは私が学生時代の話です。
その人いわく、事務長として現場の人と対等に話をするのに、何か国家資格が必要だと感じたので社会福祉士をとろうと思ったのだとか・・・・
このような活用の仕方もあるというわけです。
なにも、現場あがりの人だけが事務長になっているとも限りませんので、本格的に福祉の事務仕事をめざすのであれば、それなりの勉強法は存在します。
例えば、簿記の勉強をすることは、事務の仕事をするうえで役立つものですし、介護保険の請求業務を学ぶことも有意義な学びになります。
余談ですが、私は過去に、こんな講座を受講していました。
介護保険の請求業務を学ぶ通信講座です。(内容的には、しょぼい生涯学習的なものですが、ケアマネの試験を受けるうえでは役に立ちました)
今私が勉強していること
私の場合、将来的には、自営業の立場か、もしくは専業で情報発信をする社会福祉士になりたいとおもっています。で、どのような勉強をしているかというと、
大まかには、
- 経済
- 投資
- IT
の勉強です。
具体的には、
- 決算書の読み方
- 金融商品(株・債権など)への投資
- 物販
- html、css(webブログに必要なプログラミング)
これらの勉強をしています。
今は、生活支援員や介護の仕事をメインとしていますが、社会の変化が速すぎて、社会福祉士の職域が広がり過ぎていると感じており、このような状態になっています。
かなり、資格という枠からはみ出た社会福祉士ということがいえますね。
まとめ
私は、社会福祉士登録から11年たっていますが、実をいうと、いまだにこれといった専門性というものがわからないのが現状です。
いまは、職種でいえば、生活支援員をしているが、10年後は、何を生業(なりわい)としているのかまったく予測がつかないと思っています。
それどころか「自分の生活すらどうなっているか不明である」
そんな不安すらあたまをかすめています。
社会福祉士が事務職か否かという話から、話がそれてしまいましたが、話をまとめますと
「やりたいことをめざせばいい」
ということになります。
ただし、どんな職種に就くかによって、その職種の業務にしばられることはあります
ですが、本来、社会福祉士は職種ではなくて、名称独占の資格です。
その資格をどう活かすかは、本人の自由です。
資格を事務的なことに活かしてもいいし、現場に活かしてもいいし、まったく他のことに活かしてもいいわけです。
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