救護施設で働いて社会福祉士の実習免除を目指すメリット

社会人が社会福祉士を目指す場合、ネックになるのが実習です。

今後、実習時間が240時間になることが検討されており、社会人にとって実習の負担は社会福祉士への参入障壁にすらなってきます。

このとき、問題解決の方法としては実習免除という方法があります

一年の実務経験があれば実習は免除です。

社会福祉士の資格がないのにどうやって実務経験を積むの?と疑問を持つかもしれませんが、救護施設の支援員は無資格でも勤務可能なところはあります。人手不足なのでアルバイトや契約社員などであれば採用される確率は高いです。実務経験をカウントする上では、正規・非正規・常勤・非常勤は無関係です。生活支援をする職員として雇用されていれば実務としてカウントされます。

一年間の実務経験ですが、実際に勤務した日数でカウントされますので、休日を考慮すると、実際には一年以上の年数がかかるのが普通です。非常勤などの場合はさらに年数がかかります。

社会福祉士の学校に入る段階がどういう状態なのか?(失業中なのか、フルで他の仕事をしているのかなど)は人によるので一概に言えませんが、週に何日かでも救護施設でバイトできる条件であれば実習免除を目的に働いてみるのは十分有効な選択肢です。

実務経験を積むまで学校に入学できないわけですが、その間やれることはあります。
例えば、通信制の大学で社会福祉士を目指すことを決めているのであれば、実務経験の要件を充足をしながら、大学で科目履修生として学習をスタートする方法があります。

科目履修生として取得した単位は、大学に入学後に卒業単位として認められます(卒業要件として認定される科目を履修する)ので無駄になりません。
一件遠回りのようですが、入学を希望する大学の卒業要件をよく調べたうえであれば、効率よく実習や履修科目をクリアして社会福祉士の受験資格を得ることは可能です。

ただし、科目履修制度は養成施設では使えないので、養成施設で受験資格を目指す人はフルタイムの仕事をするのがいいでしょう。

ポイントはどの職種で実務経験を積むか?です。
実行力のある方にお勧めなのが救護施設です。

救護施設とは

救護施設は、生活保護法で規定されています。

第三十八条 保護施設の種類は、左の通りとする。
一 救護施設

2 救護施設は、身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設とする。

社会福祉士の定義にマッチしていますし、法的にも社会福祉士の実務経験として示されています。

実際の救護施設の特徴

  • 利用者の障害による区別がなく、対象利用者の幅が広い。つまり多様な障害者がいるということ。
  • 身体介護を必要とする利用者もいる(生活保護の老人・身体障害者・重複障害者)
  • 精神障害者に対する支援や身体介護をする場面が多い。
  • 戦後初期に作られた施設種で、福祉の原初的な色合いが強い。歴史的な意味での学びがある。

これら救護施設の特徴は、そのまま実務として得られるメリットになります。
つまり、きつい仕事であるがゆえに鍛えられますので、社会福祉士として就職活動をするときの強い経験と知識となります。

  • 介護技術
  • 相談援助技術(対知的・精神・身体・生活保護受給者)
  • 公的セクターとの連携
  • 人権啓発
  • 生活保護政策・貧困対策
  • 精神障害者に対する支援

ほとんどオールマイティーに福祉の実践を積むことができる施設なのです。
無資格・未経験者にどこまで仕事をさせてくれるかは別として、一職員として傍らで現場に在籍することは大きな現場知識を得る機会となります。

今回ご紹介した方法は、一日でも早く社会福祉士の資格が必要という人には向かない方法ですが、効率よく資格を取るという意味では、一つの有効な手段です。
ただし、お金をもらってする仕事である以上、きつい仕事であるということは忘れてはならないでしょう。

実習免除で得られるもの

救護施設で実務を積んでから社会福祉士養成施設や大学入学すると、次のメリットを享受できます。

  • レポート作成において現場での体験をもとに考察できる。つまりレポート作成がしやすいということ。
  • 現場知識があるため、国家試験において、特に事例問題の特典がアップする。つまり国家試験の合格率があがる。
  • 学校の授業でディスカッションする際に、経験者としての発言ができる。
  • 現場経験が就職活動の準備となる。経験があることで採用率にも高い効果が得られる。

上記のような効果が期待できます。

まとめ

  • 社会福祉士の実習免除のために救護施設で勤務する方法がある
  • 入学前に実務を経験することで、指定科目履修、実習免除、国家試験受験、就職活動に有利な効果が得られる
  • 多くの経験と引き換えになるので、その分きつい仕事であることを覚悟する

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