やさしさを演出して個別対応できる社会福祉士が優秀

この間、あるブログを読んでいたら、社会福祉士の資格をとって仕事することで「いろんな人にやさしくできるようになった」

これが社会福祉士の資格をとってよかったことです。
という記事を読みました。

私は、この記事に対してなるほどと思いました。
優しくなるという行為は、社会福祉士のスキルの一つです。

スキルですから、実際に優しい人間かどうかは別として、修得できるワザになります。

正確には「やさしさを演出する」ということになります。

このようなことをいうと、すごく装っている人間のように聞こえるかもしれませんが、福祉の仕事は自らの肉体や性別、声、話し方、性格、考え方、容姿も含めて、使えるものすべてを動員して援助対象者にぶつかって行く仕事です。

相手に合わせて自分を変化させながら関わっていくことが必要となります。
これが、かなり疲れるんです。実際・・・・。

感情労働といわれる理由がここにあります。
相手にぶつかっていくというのは、どういうことかというと、

たとえば、
高齢者で認知症の場合と、視覚に障害がある人だったら、異なる対応をする
というようなことです。

認知症の人に対しては、ゆっくりと大きな声で話しますし、聴覚に障害がある人に対しては手話や筆談でやりとりをするというように対応を変えることです。

同時に、相手の生い立ちや生活環境の背景、性格なども考慮して個別のやりとりをします。

これらは、
障害の特性上、個別的な対応をしなければならないので当然に配慮すべきレベルだといえます。

ところが、社会福祉士ならば、もっと上を目指すべきで、個別対応の幅をもっと広げて、相談に来た利用者の家族や近隣住民に対しても、個別対応できるようにするとよいと思うのです。

障害特性上の配慮が特にないような人であっても、相談に来た人物がどういうことに関心をもっているかを瞬時にアセスメントし、さぐりを入れながら対応できる・・・

ファーストフード店員のようなマニュアル対応とは逆のものだとイメージしてください。

これが社会福祉士として望ましいスキルです。

社会福祉士自身の個人的な性格や生い立ちとかは、脇においといてください。
仕事で要援助者に関わっている以上、個人的なことはともかく個別対応に集中するべきです。

ただし、そのベースにあるものは「やさしさ」となります。

福祉の仕事をしてるんだから、やさしい人間になれということではなく、
「相手から、やさしそうと思われなければ話が通じない」
という認識を持てれば、いい方向性に向かっています。

ときどき、福祉の超ベテランといわれる人の中には、
「利用者を受けいれなさい」
みたいなことを言う人がいますが、厳密にいうと、それは無理です。

人間同士ですから、相性もあれば、好き嫌いもあって当然なのです。

それを無理にねじまげようとしても、自分がやぶれるだけです。

社会福祉士としての対応がとれれば、それでいいんです。

人間誰しも、欲はあるし、損得感情もあって当然ですので、私は偽善的な話をしていません。

社会福祉士は、あらゆる人物にかかわる経験をしておくことが望ましいです。

仕事で不快になるような経験を積み重ねることで、援助者自身の精神を整理し、相談相手の個別対応ができるようになってゆきます。

もちろん、相談相手に関して事前情報があるならば「波長あわせ」をしておくことなど、小技を用意しておくことも必要となります。

波長あわせについてはこちら

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