公務員福祉職は思ったほど楽じゃないよ

地方公務員の福祉職は、社会福祉士が就職する分野の中では、ピカイチの待遇であるとされています。

私もその意見には同意します。

年収にして、初任給は月20万程度だとしても、年々上がっていきますし、公務員ですから終身雇用が絶対的に保障されています。

公務員を20年も続けていれば、毎年昇給して、少なくとも40万くらいにはなるでしょう。

ボーナスや昇格による手当、手厚い福利厚生を考慮すると、実際にはもっと収入があると考えよいでしょう。

結婚して、子供を産んで育てて、住宅ローンを組む

そういったライフプランには見事にこたえてくれるのが公務員福祉職な訳です。

上記の理由から、公務員にはある誤解が生じています。

公務員というと、定時に帰れてラクというイメージが代表的ですが、それは誤解です。

今や、多くの自治体は財政難の方向に向かっています。
正規の公務員の待遇を保障するために、非正規の公務員や臨時職員を使って運営しているのが実情です。

身分保障された正規公務員は、多くの業務を担わされています。


さて、この公務員福祉職ですが、果たしていいことづくめの職種なのでしょうか?
新卒、第二新卒あたりの社会福祉士の中には、公務員絶対論というのがあって、複数の自治体に応募している人が多いです。

絶対的終身雇用、定期昇給、充実した福利厚生、土日祝日休み、社会的信用

こういった要素に魅力を感じるのでしょう。
これは事実ですし、民間の福祉職に就くことに比べると魅力的なのは確かです。

ちなみに男性の場合、公務員になれば、結婚相手に困ることはないでしょう(モテモテ)。

皆、公務員という聞いただけで、安定していると思い込んでいるようで、独身女性から大人気です。

でも、ちょっとまってください。

公務員を目指す上で一番大切なことが抜けています。

それは、
「公務員として定年までの時間をささげるつもりがあるか?」
ということです。

言い換えると、
「公務員の仕事が何よりも好きか?」
という哲学的な問いです。

「えっ、公務員は定時が来たらハイさよならって帰れるんでしょ?」
って思っているとがっかりします。

現在は公務員といえども、限られた人数で業務をこなしていますから、一人当たりの業務は多忙です。
多忙の要因としては、財政難による採用の抑制ということであったり、病欠職員の穴埋めであったりします。

中には、公務員としての立場を悪用して、精神科から診断書をとって長期病欠して給料だけもらっている職員もたまに見かけます。
こういう人が、まじめに勤務している公務員の仕事を増やしているという側面があります。

こうした要因に加えて、
経験年数が増えてくれば、相応の責任や業務量をこなすよう求められるということもあります。

当然、定時では帰れないのが普通になります。

こういうことを述べると

「民間だって多忙だよ」

っていわれそうですが、問題なのは民間の福祉職員が嫌ならすぐ辞められるのに対して、公務員の場合はめったなことではやめられない心理状態になるということです。

「せっかく公務員になったのだから、やめるなんてもったいない」

という意識が骨までしみついてしまうのです。

これは、ある意味洗脳ですね。

この洗脳は強力で、ゆえにメンタルがやられても公務員は辞めずに長期病欠という選択肢をとります。

あまり知られていませんが、正当な手続きを踏めば、公務員は長期病欠しても給料をもらうことができます。

これに甘んじて、定期的に病欠と出勤を繰り返している職員が存在します。

公務員としての制度を使って
「もらえる休みは全部もらう、もらえる給料は全部もらう」
という姿勢をつらぬけるのであれば、公務員はお得な職業かもしれません。

ですが、普通の神経の持ち主であれば、公務員として勤めたならば待遇にふさわしい働きをしようとする人がほとんどです。

もちろん、こうした大多数のまじめな公務員も「辞める選択肢」は、とることができない、考えられない人達です。

ここに公務員福祉職の辛さが存在します。

子供ができたり、住宅ローンを組んだりすれば、なおのこと辞められない意識が確定します。

公務員でない人からすれば、
「恵まれた待遇で働いているのだから辞める必要はないでしょ」

というふうに思われがちですが、人生、チャレンジしたいことが見つかることもあると思うんです。

チャレンジしたいことが公務員を続けながらできることならいいのですが、そうではない場合はあきらめる必要が出てきます。

これは悲しいですね。

なので、
もし民間福祉の職場で辛い思いをしている人がいたら、公務員も楽でないと思ってみることをお勧めします。

低待遇で働いている福祉職には、辞めるという選択肢がとれます。

これは、負け惜しみではなくてメリットです。

自由であること、好きなことを仕事にすることは人生の非常に重要なテーマです。


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